読みやすい。
主人公のポールは学者。ある日彼の妻、レキシーが庭のリンゴの木から落ちて死んでしまう。目撃者は無し。現場に居合わせたのは妻の愛犬ローレライだけであった。 ポールは妻の死の状況を知りたい一心からローレライに言葉を教えようとするが・・・・。
いつの間にか並べ替えられていた本棚の本、妻の残した仮面(妻の職業は仮面を作るアーティスト)、妻の死ぬ前の言動を思い起こしながらポールは疑惑にとらわれる。果たして妻の死は事故死か、それとも自殺か?
妻に先立たれた男の打ちのめされた姿が読んでいて痛々しい。あれほど愛しあって一緒になった夫婦でもお互いに理解していなかった部分があるという哀しい事実。
犬に言葉を教えようとするポールの孤軍奮闘ぶりがユーモラスではあるが、全体的に読んだ後は哀しいと言うかどうしようもなくやるせない気持になる本。
英語としてもそれほど難しいレベルではないし、何より嬉しいのが章の区切りが短い事。やはり文章でも一つのチャプターでも、ズラズラ長いのは読んでいてだれる。その点、この本は適度に区切りをつけて読めるので内容の重さに比べて読みやすい。何だかんだ言って勢いで読んでしまった。この作者は文章が上手いと思う。
本を読んで泣きたい人にはお勧め。