前世紀の、安価な、写真集
安いだけのことだけはある。印刷が美しくない。あまり、写真集を見たことがない人なら、これくらいのでも素晴らしいと思えるんでしょうね。僕は全然です。
内容的にもばらばらの寄せ集め。アヴェドンだから低レベルということはないけれど、AMERICAN WEST とかの比べるとがっかり。
同じ値段の、シリーズものなのか分かりませんが、アーバスとかフリードランダーとかもあるけど、買うのを躊躇せざるを得ないです。
今世紀最高のポートレートをみるなら、これ。
アーノルドニューマンのポートレートもかなりの完成度に圧倒されてしまうけれど、この写真集にも圧倒されっぱなしです。写真集というと、たいてい全体同じ緊張度の写真ばかりというわけにはなかなかいかないものですが、これは違います。全部当たりです。メトロポリタン美術館での展示の際に作られた写真集だったと思います。一番衝撃的なのは、裏coverの蜂まみれの男の人。どうやって撮ったのかしら。スタジオ中が蜂だらけだったのでしょうか。その男の人は体になにか塗ったりして蜂を身に付ける(?)工夫をしてたのでしょうか。
どうしても撮る立場で観てしまいます。
彼こそ、「カメラは押せば写る」の対局にいる写真家なのです。このホワイトバックの美しさ!
これぞポートレート!
写真の勉強中の私がであったこの写真集。
アヴェドンのこともよく知らなかった私が最初に見た
写真集がコレ。衝撃でした。
ファッション誌のカメラマンとして活躍していただけあって
やっぱり人を撮るのには慣れています彼。
(ちなみに宇多田ヒカルのAddictedtoyouのジャケ写もアベドン
が手掛けたんだそう!)しかしこのPortraitsには、カメラに向けられた嘘くさい微笑み
などといったものは一切なく、その人の心を見透かしたような
ハっとした瞬間を彼は絶妙に捉えているのです。
被写体のほうもそれに戸惑いを感じたり、そんな彼と向き合って
みたり...その反応が写真にも色濃くでています。
マリリンモンローの写真も掲載されていますが
「こんな顔するんだ!」と驚かされました。
苦悩、寂しさ、悲しみ、そういったものまで感じられる表情。
死を目前にした父親の肖像写真もまた、然り。
人物写真に興味あるかた、そうでないかたもぜひ!