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「知」の欺瞞―ポストモダン思想における科学の濫用

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「知」の欺瞞―ポストモダン思想における科学の濫用の商品レビュー

5.0 こりゃ久々のヒット
まだ、ラカンのとこしか読んでないけど、こりゃ久々のヒット。
僕は数学が専門なので、ラカンが引用した数学の部分の定義はすべて知っています。その上で読むと、ラカンが何をいってるのかさっぱりわからない。というか、このカオスは一体なんだろうかと思ってしまう。

しかも、ラカン本人はアナロジーではないとい言ってるのだから始末におえない。これは著者たちの指摘に100パーセント軍配があがります。

それにしてもラカン、精神分析の人たちがやたら持ち出すけど、あの人たち意味わかってんのかな〜という一抹の不安に襲われる。

とにかく、笑える。もしかしてこれがテクストの快楽ってやつ?(意味不明(笑))
3.0 批判する側が批判対象と相似してしまっている
ソーカル事件で有名な 科学者の著作。
「ポストモダンの論壇って、中身がないんじゃん?」基調の話。
本書に出てくる例を見る限り、ラカンからボードリヤールまで、確かに
科学の文脈を無視した専門用語の使用をしまくりで、意味をなさない
(ゆえに深遠にも見える」)文を書いているようだ。
言論を弄ぶのみのポストモダンに、実体を伴った科学。
非常にまっとうな文章である。

だが、まっとうすぎてつまらない面もある。
近代合理主義へのアンチテーゼとして登場した、相対主義の心理的社会的
な役割に対して目を向けず、あくまで科学の土俵にて、その行き過ぎを
論じているからだ。
神話と科学の相似性というものは、人間活動という観点から見れば、間違い
なく存在している。だが、ここでは「何が同じで、何が違うか」を論じず
「何が違うか」にばかり集中している。
誤りを言っているのではないにせよ、これはまた一つの偏った立場となって
しまっているように思われる。

アンチテーゼへのアンチテーゼの表の世界。
それは裏の世界を知らない人にはあたりまえなだけの話で、裏を知っている
人にとっては、退屈な絶縁状(批判対象になっているP.K.ファイヤアーベントの本がくれる知的興奮を思うにつけ、そう感じてしまう)。
科学とポストモダンの世界に精通していないほとんどの市民には、一つの
神話として届いてしまうだろう、皮肉な本
5.0 言葉の濫用と科学
この本を読んだのは結構前の話ですが、私なりに消化してみて重要なのはやはり「科学の濫用」という点に尽きると思います。

最近に始まった話ではないですが、若者の言葉が乱れているとか、誤った意味で言葉を使っているというのがしばしば問題にされます(例えば、確信犯もそうです)。言葉の表記と意味はそもそも恣意的なものだし、共通認識されあればコミュニケーションとしては成立します。これに善悪判断をつける際には権力が作用しているに過ぎません。(無論これをよいとするかわるいとするかは議論の余地がありますが)

このような背景をソーカルが指摘する「ポストモダニストの用語の誤用」にも当てはめることができます。ただ、異なってくるのは権力の妥当性で、ソーカルが誤用とする言葉は「科学」という知の体系に属するものであり、それぞれその構成要素となっています。ソーカルの問題提起は、ポストモダニストのやっていることはこの知の体系を言葉の誤用を行っていくことで突き崩してしまうのではないか、誤用されていく言葉が科学を乗っ取ってしまうのではないか、という危惧から出てきたのではないかと私は思います。

私自身、この本を読んでた頃はあまり重要視していなかった観点でしたが、最近になって結構大事なことなのではと思うようになりました。
5.0 学問における勇気とは?
 ソーカル事件については批判もあるが、彼らが行動しなかったならば、あの裸の王様たちはいまだに大通りを得意げに練り歩いていたかもしれない(しかもさらに増殖していたかもしれない)。「お前たちは裸の王様だ!」と言う勇気を持つことを、私たちは常に忘れないでいたい。
3.0 ポストモダンのフィルタリングとしては優秀
この本などが起こした現象はのちに「ソーカル事件」と呼ばれ、日本においては80年代のポストモダン・ブームを収束させる原動力となった。

哲学専攻の評者としては、「文献として大丈夫な本」と「デタラメーな本」とが、こ
の『知の欺瞞』によってうまくフィルタリングされていて助かる。

この本によって指摘された学者は、せっかく優秀な理論を出していた人もいた(リオタールやボードリヤール)のに大きな打撃を受けることとなった。

この本を読む際は、フランス人の言説は、「ちょっと変わったこと言った者勝ち」であることを差し引いて読むとよりリアリティがあるw

評者が強調して言いたいことは、

ソーカルが言っているように、この本はポストモダン思想そのものを貶める目的はないということと、批判されている学者がただちにアホではないということである。

また、中途半端でザコい理系が文系を中傷する際にもわりとよく用いられる本である。

この本の唯一にして最大の欠点は、この本の内容自体にあるのではなく、この本の内容が理解できない程度のレベルの人間でも、たやすく「現代思想」を中傷することが出来る余地を生み出したことではないか。

簡単に言うと、

この本を使えば、ザコい理系や無学な人でも簡単に現代思想を叩けますよ。

ということです。

その点では、この本の鉄板具合というか、威力は大きいと思う。




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