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Googleとの闘い―文化の多様性を守るために

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Googleとの闘い―文化の多様性を守るためにの商品レビュー

3.0 著者が結局何を言いたいのかわからない。直訳調も読みづらい
20ページほか 「アリアドーネ」→「アリアドネー」
57ページ 「モニカ・ルビンスキー」→「モニカ・ルインスキー」
62ページ 「できないだろが」→「できないだろうが」
107ページ (『パイドロス』について)「ソクラテスに語ったプラトン」→「ソクラテスに語らせたプラトン」
138ページ 「与しはしはない」→「与しはしない」
2.0 危機感は理解できるがここには解はない !?
著者は「Google = アメリカ」とみなし,それに対抗しうるヨーロッパの検索エンジンや図書データベースなどをつくることを主張している (アジアやアフリカはどうなるのだ?!).しかし,そこには Google に対抗しうるあたらしいものがあるようにはみえない.

Google によって文化の多様性がうしなわれることへの危機感は理解できる. しかし,Google とのちがいをもっと明確にしなければ,対抗するものをつくったとしても多様性はえられないだろうし,したがって成功しないだろう.
3.0 検索エンジンの光と陰
 情報収集しようとする場合、現在では図書館よりインターネットにたよることが多い。その場合、たよりになるのが検索エンジンである。本書は、その検索エンジンの雄である、Googleに情報検索を任せきっていいのかという疑問から書かれた物である。
 この本は、インターネートに対する図書館側からの反論とも受け取れる。だから、著者がフランス国立図書館館長というのも頷ける。インターネット擁護派の人には館長が危惧している「文化の多様性が破壊される」という告発も一笑にふすかも知れないが、私には貴重な意見であると読めた。
 大学で韓国語を学んだ時、韓国の先生が「言語は文化である。日本人はなぜ日本人が作ったワードプロセッサソフトを使用しないのか。アメリカ製のソフトだけになった時、日本語文化は衰退する」と強く言われていた。
 私は、それ以前から一太郎を使用していたが、今もこのソフトを使用し続けている。訳者の佐々木氏は検索エンジンもそれぞれの言語圏で独自のものがあってしかるべきであると提案している。傾聴する意見である。
 昔の人は「只より高い物はない」と喝破していた。Googleが次々と提供している無料ソフトも、それが便利であればあるほどこの言葉を噛みしめる必要がありそうだ。
3.0 「検索」って仕組みは、知の探求にあって万能ではない
 作者はフランス国立図書館長という立場から、グーグル・プリント(現グーグル・ブック・サーチ)批判を展開する。つまり、「なぜアメリカの文明を滋養してきたヨーロッパ文明の作品が選択リストにおいて適切な場所を考慮されないのだろう」という批判だ。この、アメリカ文明vsヨーロッパ文明という文脈にフォーカスした部分は、日本から見ると単眼的に映る部分もあるけれど、その批判はグーグルにとどまらず、アメリカという国が主導する市場原理主義やグローバリズムの危険性をも射程に収めている。やっぱ、今の近視眼的な意味での経済合理性って「文化」とは様々な局面で相反するんだよね。だって、「文化」とか「知」って無駄、あるいは無駄の許容ってことじゃん?
 「検索」って仕組みは、知の探求にあって万能ではない。「検索」は検索者の知のキャパシティに規定されるものだから。「検索」は検索者の内にある知識、イメージ、趣味嗜好からしか引っ張ってくることができない。もちろん、検索先から得た情報からリンク、リンクで新しい知見を身につけていくことは可能だろう。でもそれは往々にして自己の思考、嗜好を強化する方向に働く。「検索」は自己にとって無駄なもの、不都合なものの隠蔽、排除を可能にする。例えば本にしても映画にしても音楽にしても、時には他者の作り出す物語に“我慢して”“違和感を感じながら”付き合わなくてはならない場合があるけど、その我慢、違和感こそが大事なんだと思う。「検索」で行き当たったものとばかり付き合うことって、すごく危険なことだよね。著者が言う、文化の多様性ってそういうことだと俺は理解した。市場原理主義やグローバリズムって強者の理論でしかないし、経済合理性って誰にとっての合理なの?って考えたら、一部の人たちにとっての最適化でしかないんだよな、当たり前だけど。
5.0 人が作り出すアルゴリズムに恣意的さはないのか?
フランス国立図書館長、歴史学教授さらにはミッテラン政権時に通商政務次官を努めた2005年および2006年改訂版の「グーグルがヨーロッパに挑むときー驚愕な理由」の翻訳である。また佐々木氏が本書末に解題「検索エンジンのゆくえ」として現在の地球上での知の集積の流れをITと言う文脈で分かりやすく解説している。

発端はグーグルプリントである。著作権の切れたあるいは無い書籍を全てデジタル化しネット上にオープンし検索可能なデータベースを構築すると言うものである。
著者は単にグーグルに敵対するのではなく、文化の多様性を維持するためにどうすればよいのか?これまで無気力に過ごしてきたヨーロッパに注意喚起をしたいのである。それは単に検索エンジンというアルゴリズムが検索順位として表示され、一部にはその検索単語に付随する広告が示される恐怖でもある。いかに金銭的に利害の無い平等な検索結果が提示されるかの担保はないのである。ましてアルファベット以外の文化を持つ国々はさらに不利な状況に思える。
著者は「自由」の概念を再考する必要があると指摘する。キツネが鶏小屋で楽しむという自由と言うものは無いと。
また本と言うものは、全体として設計されたもので「連続的にまた蓄積的に読まれるべきものである」から検索ワードに対応するページだけを対象とすべきでない。
より多様な国家の歴史や文化をいかに尊重しあいながら我々は進むべきなのか?非常に考えさせられる本である。
また解題部分では佐々木氏がグーグル八分や他の問題に関しても的確な指摘をしている。
検索エンジンを使って得られたデータを鵜呑みにしない市民が育たないと非常に危険な世界が構築され得るという未来像が見え隠れする。

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