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デザインのデザイン

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デザインのデザインの解説

 「デザイン」とはいったい何なのか? 敢えて辞書的に定義するならば、それは「意匠」や「応用美術」と翻訳される概念であり、何らかの使用目的に則して造形が行われる点で、それ自体自律して成立しうるものとされる「ファインアート」とは厳密に区別される。だがテクノロジーの変革やそれに伴う情報環境の変化が著しい昨今では、その意味自体が極めて流動的なものとなり、範囲を正確に定めることが著しく困難になってしまったとの声もよく聞かれるようになった。存外、「デザイン」の定義に最も悩んでいるのはほかでもないプロのデザイナーなのかもしれない。

   本書に一貫しているのも、デザインにとって最も基本的で、かつ最も困難なこの問いである。現場の第一線で活躍する現役デザイナーである著者は、最初に基本的なデザイン史をひと通りおさらいした後、「無印良品」や本の装丁、あるいは長野五輪や愛知万博など自らが関与した多くのプロジェクトへの取り組みを回想する一方、四角いトイレットペーパー、ロール型のゴキブリホイホイ、落ちている木に発火剤を塗布したマッチなど、ユニークなデザイン例の紹介にも多くのページを費やしている。特に著者が「リ・デザイン」と呼ぶ後者のさまざまな事例は、何の変哲もない日用品のスタイリングにちょっとした工夫を加えて意外な効果を引き出したものばかりであり、デザイン本来のあり方を再考するうえで格好のきっかけを提供してくれている。

   本書の末尾において、著者は「コミュニケーション・デザイン」「ヴィジュアル・コミュニケーション」「グラフィックデザイン」という3つのキーワードを提示し、自らの職能やその社会的役割をこの3者の関係性のなかに見いだそうとしている。「デザインのデザイン」という人を食ったようなタイトルは、いかにも現代的なその試行錯誤の名前でもある。文体は軽妙洒脱だが、かといって本書の問いかけが軽いわけでは決してない。(暮沢剛巳)

デザインのデザインの商品レビュー

4.0 『デザインする』ことの目的がよく判る
モノを作っていく中で、デザインがどういう役割を担っているのかがよく判る1冊です。
アートが芸術家の自己表現であるのに対し、デザインは、そのモノが抱えている問題をカバーしたり、そのモノの用途を視覚的に手助けしたりすることに目的をおいているという点に、共感しました。
デザインを手がける方に、ぜひ読んでいただきたいです。

星1つ分マイナスしたのは、
デザインの本質論 + 著者の手がけたデザインの具体例や経験談
で、後者が冗長すぎるのではないかと感じたからです。
私のように「自分はデザイナーではないけれど、周辺の仕事を担当しているので、デザインのことをもっと判りたい」という人間にとっては、経験談は本質論の理解を助けるための最低限度の分量に留めておいてもらったほうが、よりありがたかったです。
自らデザインを手がける方にとっては、経験談が多いほうがいいのかもしれませんが。
5.0 鋭さ
著者の顔写真を拝見したことはないですが、
きっとシャープな方なのでしょう。
この本を読み、そして手がけた企業や作品などを見ていると、
とてもシャープで切れ味が鋭く、
それが文章にも表れています。
何だかフォントまで鋭そうな感じすらします。

内容は銀座の松屋や無印良品の広告、
包剤などに関すること、
デザインの歴史、
リ・デザインでゴキブリホイホイやトイレットペーパーなどの
ことなど大変面白く読み進めることが出来ました。

デザインって何?

まだ一読しただけで、これから何度も読み進めないと
深く理解することは出来なさそうですが、
企業はただモノを作って売る、という時代ではないのだな。
モノがよければ売れる、というわけでもないのだな。
いいモノをデザインの力を借りて、
どういう「イメージ」を付与して売っていくか、ということを
考えている企業と考えていない企業とに
分かれて行くのだな、とこの本を読んで
考えさせられました。

それをどう支持するかは消費者である
私たちにかかっているのですね。
4.0 おすすめです。
デザインを勉強する上では、少し物足りないかもしれないが、
デザインのルーツを一般の方が知る上では
十分なくらいの内容がありました。

また、デザインのプロが書いた本だけに、デザインをされている方にとっても
よい影響をうけることができる内容となっています。

デザインが人間に対してどのような効果をもたらせるのか?
そもそもデザインとは何なのか?少し深堀して書かれた本です。
4.0 Muji 的デザインと 「コミュニケーション」
著者は産業デザインを批判し,ポストモダンを否定するようなことばを書いている.そして,この本のなかにあらわれるデザインたちは,iPod などよりはるかに以前のものから,白を中心とするモノトーンな世界である.この本じたいが,デザインの本にありがちなカラーページのおおいものではなく,白と黒だけのデザインである.それは,著者が担当している無印良品の思想にもつながっている.

著者はつぎのように書いている.「僕の専門領域はコミュニケーションであるが,その理想は力強いヴィジュアルで人々の目を奪うことではなく,五感にしみ込むように浸透していくことであると考えるようになった.」 このことばの後半は納得のいくものだが,私にとってはこの本に何回か出現する「コミュニケーション」 ということばが,まだひっかかったままである.
5.0 表層デザイン過多の現代に
今日,デザインという言葉が氾濫している.
そのどれもが,広義的な意味合いでデザインに含まれるのではあろうが,「そんな言葉にデザインという言葉を引っ付けるな!!」というものも確かにある.

そのような時代背景を踏まえると,この本は一読に値する.
旧来のデザイナーと呼ばれる仕事をしてきた著者が,デザインの歴史・語源から,思想の流れを簡潔に概説してくれている.
そして,著者のこれまでの具体的な仕事の中身に触れ,何を意図し,思索し,構築してきたのかという,極めて知的で論理的な精神作業の跡が描かれている.
読み通した後には,時代の流れに流されない自分なりのデザインのデザインが出来上がっているはずであろう.

この本は具象的なデザインを行っている人(いわゆるデザイナー)だけではなく,むしろそれ以外の人たちに多く読んで欲しいと思う.

去年,日本の一部地域で大きく盛り上がったイベントの初期構想も知っておくべきものである.
私はその章を読み,はしゃいで会場を訪れた自分を恥じた.無知は時に罪なのである.

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