アイデアの泉
ガブリエル・ガルシア・マルケスが主催するキューバのシナリオ教室で
生徒との会話を収録したものです。
30分のテレビドラマのシナリオを生徒(と言ってもたいていは脚本家
またはその卵たち)一人一人に書かせて、それをたたき台にしてワーク
ショップで練り上げていくのですが、その物語が徐々に紡がれていく過
程はなかなか面白いです。
できあがったシナリオをテレビ局などに売って学校の運営資金の一部と
する仕組みはうまいアイデアです。 それにしてもマルケスは場をコントロールするのがうまい。「朝まで」
の田原総一朗氏のような鍋奉行ぶりとは大違い。この本は脚本家に憧れ
る中高生が読むのも悪くないかも。少し内容は難しいですが、いいヒン
トになるでしょう。
創作法のひとつとして。
会話形式で議論が進んでいるので臨場感があります。 反面、議論が停滞してる個所では、イライラ感も味わう。しかし、不思議なことにガボ(ガルシア・マルケス)が加わった途端、物語に意味付けがされたり、活き活きと人物が動き出したりするので思わず「おー」と感心。彼に言わせると「君達は真面目すぎるんだ」だそう。ナルホド。物語は非日常なのだから、そんなに真面目すぎちゃ面白くないよ、という事でしょう。
この本での方法は、テーマが先、というより、物語を膨らました上でテーマは後付けされてる感がある。だから物語が一体どこへ向かうのかワカらない面白さや、広がりを楽しむ点は参考になりますが、テーマや構成を重んじる手法の方には向かない気もします。しかし、創作法のひとつとしては大変、面白く興味深かったです。
星が他の方と違って少なめなのは、物語の作り方というより、物語の広げ方の方が題名として正しい気がしたのと、小説家のように個人で物語を構築する人には向かないよー、という忠告です。そこの、小説家志望のあなた。あなたに向けて書きました。