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影との戦い―ゲド戦記 1

影との戦い―ゲド戦記 1

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影との戦い―ゲド戦記 1の商品レビュー

5.0 最高傑作のひとつ
★が足りないくらいです。

はじめて読んだのは小学生のとき。
指輪物語をひとつの金字塔とするなら、この作品はそれとはまた違う
新たな金字塔・基準となるのではないでしょうか。
それくらいすばらしい作品だと思います。

この巻だけでなくシリーズを通して描かれているのが、この「影」との戦い。
以降の物語も、それ単体でも成り立つように書かれていますが、
やはりこの巻を読んでおかないと、ところどころ?が浮かぶと思われます。
映画はここをすっ飛ばしたから余計意味がわかりにくくなったんですね。

それにしても、ファンタジーにはなんとなく鼻につく、無理に
教訓めいたものが多い中で、これほど素直に納得できる物語というのは
本当に稀だと思います。
というか唯一無二?

ファンタジーというカテゴリーではおさまりきらない、本当にすばらしい作品。
5.0 深くて暗いファンタジー。
魔法使いとして才能を開花させた青年ゲドは、自分の能力を誇るあまり高慢になり、修行中に「影」を呼び出してしまう。何とか一命は取り留めたものの、以来「影」に執拗に追われるゲドは、逆に自分から「影」を追いかけて戦うことを決意するが…。

アースシーという空想の世界を舞台に、青年の心の成長を描く傑作ファンタジー。細部まで精巧に描きこまれ、文章を読みながら目の前にその世界が広がっていくようだ。

テーマが「影」との戦いというだけあって、戦記といってもゲドの個人的な戦いという意味合いが強い。全体的にわくわくするような冒険というより、陰鬱な色合いを感じたが、それも子供から大人へ変わりゆく思春期に特有の心理を反映しているのだろうか。「影」とは結局何だったのか…そこには筆者の深い洞察がありそうだ。
5.0 魅力的な Ursula K Le Guin の世界
ゲド戦記の映画が公開されてから、この本を手に取りました。作者の Ursula K Le Guin は1929年生まれなので、もう77歳近くになっています。彼女はSF界で最高の栄誉となるヒューゴー賞を5回、ネビュラ賞を4回受賞しています。これはSF界ではすばらしい業績です。しかし、このゲド戦記の原作本は、ファンタジー小説です。SFとの共通点は仮想世界をリアルに描くという事かな、と思います。SFでは何の制限もなく自由な世界を作り出せますが、ファンタジーの世界にはある一定のルールがあり、どのファンタジー小説もその範囲内で記述しているように思えます。たまに「ハウルの動く城」のように、現代世界との接点があり、魔法を使うハウルがゲーム機でゲームする甥達に会いに行くシーンもあるような小説もあります。しかし、このゲド戦記は純粋なファンタジー小説で、しかも魔法を扱っています。魔法を扱うファンタジー小説のベストセラーはたくさんありますが、Magic のとらえ方が小説ごとに異なる点がこれらの本のベストセラーたるゆえんなんでしょう。例えば、Terry Goodkind は、additive magic、subtractive magic という世界を作り、ハリーポッターは、魔法学校で魔法を学ぶ世界を作っています。Ursula Le Guin の世界では、「もの」に付属する true name が分かりさえすれば、魔法でその「もの」をコントロールできるという概念が特徴的です。豪華な料理などを魔法で目の前に展開できますが、すべて虚構の世界の産物であり、食べる事ができませんし、豪華なドレスも目の錯覚といった感じです。しかし、動物などに変身はできるようであり、この点は T.H.White の"The Once and Future King"に出てくる偉大な魔法使いのマーリンの技と同じです。ゲド戦記の魔法使いゲドは、魔法の杖を象徴として用い、船を操る風を制御し、いろんなものにspellをかける小技も駆使します。大技、小技を使い分け、Dragonと戦う強さで読者を魅せながら、自分の影(shadow)との戦いに力を消耗する弱さも併せ持っている、実に人間的なキャラクターになっています。この原作を読んでゲドの人間性を理解して映画を見れば、更に映画は楽しいものとなるでしょう。どちらが先でも構わないという人もいますが、私は原作を先に読む事をお勧めします。
5.0 星∞
「あなたが今まで読んだ本の中で、もっともお薦めできる本は?」
と問われたら、間違いなく候補に入る一冊です。

初めに読んだのは小学校6年生のときでしたが、
それ以降何10回と読み返しています。
読むたびに違うことが見える。
「ゲド戦記」シリーズ全て読んでいますが、
個人的にはこの一巻が一番好きです。

内容は「魔法使いの冒険とその成長」
といったところですが、そこから語られることは無限です。
このファンタジー、「娯楽」として読んでも100点ですが、
同時に「ファンタジーでしか描けないこと」が
ギッシリと詰まっていることにも気づかされます。

清水真砂子さんの美しい翻訳も最高。
原著と読み比べても「さすが!」の一言です。
奥深い世界観を、非常に質の良い日本語で描き切っています。

色々と難しい理屈を持ち出して解釈するより、
まずはこの圧倒的な世界に触れてみることをお薦めします。

文字通り「本物」のファンタジー。
とくとご堪能ください!
5.0 「今の自分」に迷った時に読みたくなる本。

この本を「所詮ファンタジー」と侮ってはいけない。
全世代必読の1冊だと思う。

描かれているのは魔法使いが普通に居る「ファンタジー」な世界だが、人間の内面性を非常に深く描き込んでいる作品で、大人が読んでも十分楽しめる、かなり手ごたえのある内容になっている。

「ゲド戦記ー影との戦い」は、主人公ゲドの幼年期から青年期までを描いた話であるが、
彼は類まれな魔法使いの資質と思春期特有の(!?)過ぎた虚栄心から、大いなる災いである「影」を招いてしまう。
正体の知れない「影」と戦い、敗れ、逃げ、恐れ、大いに迷い苦しむのだが、そうした紆余曲折を経るうちに次第に「影」と「自分」について、この関係の本質が「何」なのかを深く考えるようになる。

平たく言えば己の葛藤、様々な人間関係などを通じて、自身も成長するといった内容だが、読まれた方は誰しもゲドの心情、行動に共感を持つと思う。

地位、名誉、金、何でもいいが、ある種の「力」を手にした時、高慢になりがちなのは、主人公ゲドに限ったことではないと思う。
力ある、と思うからこそ陥りがちな驕慢、妬み、自尊、または虚飾に踊らされる自分、そういった日常をご体験の方も多いのではないだろうか。

そして苦い失敗。
心のバランスとは難しい。この本を読む度に、主人公ゲドと共に自身も深く内省する部分がある。

中学の時に初めて読んで以降、私も何度と無く読み返した。
今の自分を振り返ってみても、この本の影響は大きかったと思う。

大人になってからも楽しめるが、大人になる前の「中高生」には特に、是非、一度目を通しておいて欲しいと思う1冊だ。

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