著作権をめぐる、業界・関連省庁・一般人の関係がよくわかる
~CCCDの見直し、輸入盤規制と、音楽CDは今後どうなるのかということが気になって読んでみましたが、2003年に書かれたこの本では2004年の情報が盛り込まれているはずも無く、改訂版に期待したいと思います。とはいえ、他の方達がお書きになっているとおり、著作権初心者には全体像が分かり易く説明されていて大変参考になりました。
ただ、一つだけどうしても物申し~~たい。『音楽CDは、普通は何回も繰り返して聴くものであるため、本来ユーザーは「手元に置いておこう」と思うはずであり、中古品店に売られてしまうはずはないのだ。ではなぜ中古品市場が形成されているのかというと、既に述べたように、「個人が楽しむためならば、無断でコピーしてよい」という権利制限があるからだ。』
著者はおそらく中古CD屋とは全~~く縁のない人なんでしょうが、これはいくらなんでもひどい。ろくに試聴もできない状態で売られているCDを買ってはみたものの気に入らなかったから売る、というごくありふれた動機で中古屋にCDを売る行為が想定できないものだろうか?
確かにコピーして売る人もいるだろうが、中古CDファン全員がそうである「はず」と断言されると大変気分が悪い。そもそもCD時代~~以前、アナログレコード時代から中古市場はあった。
著作権保護という見地から中古市場の問題点を挙げようとしたんでしょうが、「リスナーが無断でコピーするからCDが売れない」すなわち「リスナーが悪い」という、レコード業界の言い分をそのまま述べられても…なんだかなぁ、と思ってしまいます。そもそも良い作品はいくら中古品が出回っていても売れます~~よ。~
著作権は今や経済問題だ
著作権は今では「経済問題」だと著者は言う。私はホームページを個人的に作っている関係で、著作権に無知でもいられないからと読むことにした本だが、むしろ個人の枠を越えて、著作権ビジネスはどうなっていて、ビジネスを良好に展開するためには著作権にどう対応すれば良いのかというのが題名にある”考え方”が意味するところだったようだ。 本書の中盤までは日本の著作権法の解説で、私が思った以上に複雑な著作権の説明が、構造的に要領よくされている。単に説明だけで新書の半分を要するとは、やはり著作権法はそれなりに複雑だ。
著作の意図はしかし、本書の後半に重点を置いているようで、著作権法の性格と、ビジネスにおける紛争を招かない著作権法の活用、それに加えて日本社会の立法に対する姿勢が説明されている。著作権法は複数者の利害を定めるものであるから、当事者全員がそれに不満を抱く、文化庁は法改定にあたって当事者間の調整を行っている、などは私にとって耳新しく、かつ衝撃的だった。
日本には契約観念が浸透しておらず、個人が法に対する適切な対応をしきれていない実状が、著作権法をめぐる話題でよく理解できた。著作権を巡る経済事情はあらたなビジネスの創設を促しているようでもある。情報ネットワークを利用した大規模ビジネスを考えるのなら、了解しておかなくてはならない内容であろう。
初心者向け。
「初心者向け」とタイトルに書いたが、このような本を求める人は、
私も含めて、多少著作権に触れておこうかと言う初心者が大半だと思います。そういう方には、お勧めできる。
それほど、著作権法を噛み砕いて実例を交えながら書いてあり、とても読みやすい。
また、最近問題のインターネット関連の著作権についても触れられており味深く、
何より著者が言っている、「一億総クリエータ、一億総ユーザー」と言う言葉が気にいった!
欲を言えば、出来るだけ簡単に書こうとしたのか、
著作権法の条文は、一つも出てこない・・・。
(私は、条文をプリントアウトして手元に置きながら読んだ)
お堅い内容にならなくて、ありがたいが、少し複雑なことを説明するのに、簡単にしすぎると正確性がほんの少し失われるような気がする。
高校、大学生以上なら十分読めるないようなので、興味ある学生にもお勧め!