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生きる意味 (岩波新書)

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生きる意味 (岩波新書)の商品レビュー

2.0 「世界に一つだけの花」的世界観
「交換可能」である自分に生きる意味を見いだせない、という立脚点から著者は論を広げていく。
しかし、自分自身や心の病になった知人などの話しを聞いてみて、「交換可能であること」がどれだけ救いになったかを思うと(自分自身やひいては自分の悩みも、それほど大きなものではないという自覚は、非常に気をラクにさせるものではないのか)、そういう立脚点が普遍性を持つものなのかどうか疑問だった。
が、他の人たちのレビューを見て、著者と同じような思いの人がいるところを見ると、著者の立ち位置はそれほど妙なものでもないと教えられた。
ただ、私は心を病んでいた身内がスーパーでアルバイトを始めた時に「いま、私、社会の歯車になれている!」と喜んだことを忘れられない。歯車であることに疲れる人もいるのだろうが、歯車にさえなれないもどかしさの中で暮らしている人の方が重症なのだ。
「世界に一つだけの花」以上でも以下でもない内容であったが、こういう本が共感される社会というのは、ある意味、きちんと機能した社会なのだろうと思う。歯車になれない人間が少数派、というのは機能的な社会だろうから。
「覚醒のネットワーク」からの大きな成熟はまだ感じられず、今後に期待する。
5.0 誰でも幸福になりたい
もっと早くこの本に巡り合いたかった。

もう4〜5年もの間、生き辛さを抱えてのたうち回って来ました。

著者は「苦悩」とは自分の「ワクワクする」ことに気づく大きなチャンスだといいます。

成果主義、頑張った人に多くの報酬をという大儀のもとに強引に推し進められてきた弱肉強食主義への転換こそが、時代を覆う漠とした不安の根源だったのかもしれません。

奪われる安心の場、手段から目的へすりかえられる経済成長。その中で500兆円ものGDPをどれだけ成長させるかに腐心するのではなく、いかに再分配するかにこそ目を向けるべきだと説きます。数字信仰からQOL社会へというわけです。

本書が書かれた2005年よりも2008年の今になって一層の的を得ていることが確信されます。

今の苦悩を将来の希望につなげて生きたいと心から思います。
4.0 熱く共感するわけではないけれど・・・
高校生です。
この本を読んで熱く共感することがあったり、これから生きていくのに大きな支えとなるようなことがあったわけでは無いのですが、自分でも気が付かなかった無気力感の原因や(今まさに私がその渦中にいる)教育について、論理的に理解したり新しい視点を発見したりできました。
学生で、将来について考えるべき岐路に立たされている人は一度読むといいかも。
4.0 生きていくうえでの心の支えがわからないと感じるあなたへ
文化人類学者である上田紀行氏による現代の日本人の生き方に対する問題提起とこれからどうすべきかを提示した一冊。

現在の日本は高度成長期を終え、経済的な豊かさという精神的な拠り所を失ってしまった。それでもなお、大半の日本人は高学歴・高収入を目指し、「他人の目」を指標として空虚さの中で生きている。上田氏はまず、現在の日本の問題点として経済のグローバル化、政府の構造改革路線による貧富格差の拡大、数値を目標とした効率化の徹底などを挙げている。それに対して、これからの生き方のアイデアが示されている。理想のキャラクターとして釣りバカ日誌のハマちゃんが挙げられているのが面白い。

文章は平易だが非常にボリュームがあり、隅から隅まで読むとちょっと疲れてしまうかもしれない。それでも、現代の経済の閉塞感、ぎすぎすした社会に疲れ、悩みながら過している人にとってはこれからの生き方を考えるうえで何らかのヒントを得られるかもしれない。
5.0 自分が交換可能な存在に思える人、必読!参考になります。
 著者は、大学で若者たちとディスカッションしたり、様々な分野の人たちと意見交換してきた経験から、ニュース等でよく見聞きする、いい子が起こす凶悪な犯罪や突然「きれる」若者、自殺の増加、無個性化が引き起こす諸問題などが、生きる意味の崩壊とつながっていることに注目し、その解決方法について述べている。
 政府がすすめる構造改革については、経済学者の意見を参考にしながら問題点を挙げているし、いろいろな分野で最近、取り入れられることが多い、数値目標という数字信仰がもたらす非人間的な動向にも注意を促している。
 東京工業大学での著者の講義が学生たちから高い評価を得たというだけあって、わかりやすい表現になるよう努めて書いている。
 他に、「新しいコミュニティーのあり方」の章では、NGOやNPO、仏教やキリスト教関係者の熱心な取り組みが紹介されていて、著者が上記の問題について全力で解決しようと努力しているのがよくわかる。
 私はここまでがんばって問題解決しようとしている日本人をほとんど知らない。この本の著者も若い時にはいろいろと苦しまれたようだ。だからこそ、こんなに訴える力のある本が書けたのだろう。

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