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日本の英語教育 (岩波新書)

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日本の英語教育 (岩波新書)の商品レビュー

2.0 歴史のレビューはいいが結論はいただけない
前半を読んだところで、さすがは岩波新書だと思った。わが国の英語教育の歴史や、英語教育論(教育論といえるなら)の歴史のレビューがきちんとしてある。英語教育が役に立たないと言う不満は、明治時代からあって、しかも、基本的な構造は全く同じだ。

次に、現在の英会話主義に対する批判が展開される。私も、最近の英会話主義には危惧を感じているのだが、批判の端々に、現在の英語教育を肯定する論調が見られて、何となく居心地が悪くなってきた。

そして、結論は、きっちり文法をしないといけないのだから、わが国の学校英語教育は基本的には今までの方向で良いのだ、というものに落ち着く。うーん。それはないでしょう。

著者曰く「受験英語」などと言うのは幻想で、ずるをして英語の入試を通ろうとする姑息な勉強法のことで、入試の英語は英語の王道なのだそうだ。まあ、「英語教育の専門家」としてはこういう結論になるのだろう。しかし、実際に英語を使うはめになった人が、「ごむりごもっとも」という訳はない。今年のセンター試験の英語の問題を見ても、あまりにバカバカしい「受験英語」問題がかなりの量含まれているのは明らかなのだ。

私の立場は「超英語法」の野口悠紀夫氏とかなり近い(本の丸暗記なんて簡単という立場は、私にはとれないが:ハイ、単に頭が悪くて覚えられないだけ)。両氏の差は、英語で仕事をしている人と、英語を仕事にしている人の違いであろう。英語教育が育てなければならないのは、英語で仕事ができる人なのだ。
4.0 正論です!
私は某国立大学で第二外国語を教えている者です。近年の勤務先の英語教師たちの、TOEIC対策に傾斜した英語教育を苦々しく思っていましたが、この本を読んで溜飲が下がりました。世の中には、ちゃんと物を考えている英語教師もいるのだということを再認識し、安堵しました。しかし、著者のようなまっとうな、しかし地味な意見というのはなかなか俗受けしないでしょうから、しょせん少数意見にとどまってしまうのでしょうか。本書を読んで良識ある英語教師がひとりでも増えることを願ってやみません。
 なお、本書は叙述がやや単調で、平板です。たとえば、福澤諭吉が25歳のとき横浜を訪れ、自分の得意のオランダ語がまったく役に立たなくて愕然とする場面はいろんな人がいろんなところで引用しています。こういうエピソードを引用する際にはよほど切り口がおもしろくないと人目を引かないと思います。
 本書に述べられている正論が世間で認められて多数派になるためには、やはり読者をおもしろがらせたり、ハッとさせたりする工夫と言いましょうか、ある種のサービス精神も必要なのではないでしょうか。著者の次の本を楽しみにしています。
1.0 無学な一般大衆向けの本
まったく内容のない本であり、こんな本が出たところで、日本の英語教育に何らのインパクトがあるとは思えない。
そもそも地方の三流私大の教授風情に、このような大仰なタイトルの本を書く資格があるのだろうか?
岩波新書もすいぶんレベルが落ちたものである。まぁ、その程度の読者を相手にするように営業方針を切り替えただけかもしれないが。少しでも英語教育に素養のある人間にとっては、およそ読むに値しない本である。
3.0 冷静な議論。英語教師批判は注目すべし。
日本の英語教育と言うと何か教育史的なものを思い浮かべがちであるが、
この本はむしろ、これからの日本の英語教育がどのような政策のもとで
行われるべきか、あるいはどのような方法論を採用すべきか、といった
ことを講じるという性格のものである。著者はこれからの日本にとって
の英語の必要性を認めており、日本人が英語ができないのはそもそも
必要ないからである、という一種の開き直り的な姿勢は採っていない。
そして、英語の必要性を確信した上で彼は、現在の日本の英語教育が理念も
入念な政策も欠いた極めて『危うい』ものであり、漠然とした会話願望に
引きずられて迷走している感があるということを嘆き、義務教育としての
英語教育に相応しき根本思想として『英語教育を通して日本国民をどう育てる
か』という発想を中心に据えることの重要性を説くのである。本書の中にオリ
ジナリティに富んだアイデアを発見することは難しいが、全体を通して
非常に客観的な議論がなされており、偏りがないという点では安心して
読めるものである。

個人的な意見では、学習者の動機はあくまで実用的な
技能の向上に向けられるべきであるが、教師の側は同時にそのような
実践的な動機から行われる英語学習が学習者の知的能力や豊かな世界観の
養成にもつながるように工夫せねばならない、という著者の考えには大いに
賛同できるところがあった。また、第4章で著者が扱っている英語教師の
問題(教員養成の機構に潜む問題など)は、多くの人が意識しながらも
なかなか明確な形で論じられることのないテーマであるだけに、貴重な
議論ではなかろうかと思う。繰り返すが、全体を通して冷静な姿勢で
語られており、英語教育に携わる人はもちろん、英語教師になりたいと
思っている人や英語教育に関心のある学生などに読んでもらいたい一冊
である。(ただし、参考文献が巻末に明示されていないのは、
本書の性格から言って、相当に問題であると思う。)

2.0 内容にズレあり
「日本の英語教育」ということで期待して読み始めたが、最初の数十ページが世界における英語の現状説明に割かれており、拍子抜けであった。
内容としては、日本の英語教育は英会話志向であるが、英会話はあくまで総合的な英語力の発露であって、英会話に特化した教育はいかがなものか、という主張が繰り返し述べられているにすぎない。
また、全体的に記述が冗長である感が強い。

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