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働きすぎの時代 (岩波新書 新赤版 (963))

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働きすぎの時代 (岩波新書 新赤版 (963))の商品レビュー

3.0 出版から3年しか経っていないのに、もう現状の労働環境にそぐわないのが驚き
現在の職場が、
あまりにも残業を「あたりまえ」と
みなしているのに疑問を感じ同書を手にとりました。

終章『働きすぎにブレーキをかける』は
アリキタリな内容ですが、非常に参考になりました。

ただ、他の部分については、
国際的な比較論や、
特にオランダのワークシェアについてなど、
予備知識として持っていた論が中心になっており、
物足りなさを感じました。

数字の解説がメインであり、
できることなら、日本国内に留まらず、
海外の部分においても、もっと「現場の声・生の声」を聞きたかったです。


学生が、
小論文を作るくらいのレベルには、
ぴったりフィットする作品かもしれません。
3.0 基本事項の確認なら
日本のお家芸だったワーカホリックが世界的に広がりつつあるという話。
もっとも、アメリカ以外は減少が上昇に転じたという程度の話で、日本人は
相変わらず世界で一番過酷な労働環境にある。

それと、データの引用の仕方。製造業なのか、その他なのか。正社員だけなのか、
パートも含むのか。その辺が実に曖昧なので、イマイチ読んでてのれない。
(実際、日米の労働時間比較など、実情と食い違いを感じる箇所もある)

終盤の対策編は聞こえの良いキャッチフレーズレベルでしかないが、基本事項の整理
としてなら有効か。
3.0 分析はするどいが対策は?
日本人は 50 年以上まえから「ワーカホリック」などといわれてきたが,いまや働きすぎは世界にひろがり,フランスでさえも労働時間をふやそうとしている.日本では過労死さえ頻発している.そういう時代のながれをこの本では数値的にとらえている.しかし,それではどうしたらよいのか? この本では終章が対策の検討にあてられているが,そこでのべられている大半のことは,ずっと以前からいわれつづけてきたことである.たしかに基本は重要だが,もっと現在の状況にあわせた対策をかんがえなければ,問題の解決はおぼつかないだろう.
4.0 いっせいの、せ!...?
入社した当時、組合活動に関わっていた時期があった。
当時は まさに労働時間短縮の動きが活発だった時期。
十数年経って...管理社員になって転勤、出向した。

ばたばたしている間に これが一転した。
著者が指摘しているとおり、
 ●情報資本主義
 ●消費資本主義
 ●フリーター資本主義
始まった時期はズレながらも、重なりながら至っているのがフルセットの現在。

たしかに、著者の言っている通りだと思う。
内容も分かりやすいし、よくわかる。

...が、大勢が この波の呑まれているのも現在。
情報ツールは使いたい、消費もしたい、フリーターであってもよしとする生き方。
...これもまた、いま 目の前にあること。

いっせいの、せ!で 全員の考え方が変わるならば社会も変わる。

かたや 日本社会は「団塊の世代」の大量退職による技術・技能...そして、
なによりも貴重な彼らの経験の伝承問題も抱えている。

...この問題は 一つの切り口では捉えられないからこそ むずかしい。
むずかしいからこそ 悩む。
著者の主張を受け止めながらも、...
『いま』は、この悩みの時代にいるような気がする。

正解や結論が出せないところで、私自身 悩んでいきたいと思う。

5.0 これからの社会のあり方
第一章〜四章においてはそれぞれグローバル化、情報革命、消費社会、規制緩和を軸に、現代社会が抱える過重労働の問題の実態を明らかにすると共にその原因に迫る。続く第五章では、労働時間の制限、短縮の歴史及び今現在も唱えられている運動・思想が紹介される。特にある種のワークシェアリングとも言える「菜園家族レボリューション」の構想は興味深かった。終章では、「働きすぎ」にブレーキを掛けるための提言が、労働者、組合、企業、そして法律・制度を対象になされる。これらの提言は至極当たり前のものである。しかし当たり前であるにも拘らず同時にまた、それは現代社会においては実行することが極めて困難であるのが現実でもある。

しかし困難さばかりを指摘するだけでは現実は変わらない。その点、以下の著者の指摘は至言である。
「多くの人々が声を上げるようになれば制度は変わり始める。そしていったん問題が煮詰まり制度が変わり始めると、昨日までは困難に思われていたことが可能になる条件が生まれてくるものである。」(P210)

本書冒頭における、「働きすぎ」に苛まれている人々の相談、過労死した人々の遺族からの相談に見られる日本の労働の実態は実に衝撃的だった。労働環境を、さらには社会のあり方をも再検討する必要があるのだと痛感させられる。本書は、労働問題に止まらず、ひろく社会のあり方を考える上で絶好の入門書であるといえるだろう。本書が広く読まれることを望む。

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