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日本語の歴史 (岩波新書)

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日本語の歴史 (岩波新書)の商品レビュー

3.0 言文一致を熱心に擁護する底意が不明
本書は通時的にトピックをかいつまみ、雑学的に興味深いことを多く伝えており、それなりにおもしろい(係り結びの消滅は、格助詞で論理関係を明示していく構造への日本語の推移を意味した等)。だが著者の各種「意見」を目にするとき、「え?」ということも多かった。

特に最後、著者は熱心に言文一致を擁護するが、その意図がわからない。「油断をすると、書き言葉はつねに話し言葉から離れようとします」(211頁)。「せっかく長い時間をかけて昔の日本人が勝ち取った言文一致の成果を大事にしたい、そう思っています」(212頁)。確かに言文一致は大きなコストをかけて成ったものだろうけど、著者自身は言文不一致の状況を生きたことはないのに、なんとなく明治の人の苦心に自分を重ね、言文不一致だと困るだろうという憶測だけで論じている風である。明治の人が切り捨てた漢文的伝統への愛惜も、著者には一つもないらしい。さらに漢字に読み方が多いことや、語彙の多さを日本語の問題とし、同音異義語を「整理」する必要があるという。整理って、語彙や読み方を制限することですか?

「日本語は、その時代に合わせて姿を変えてきています。私たちが日本語をどうしたいか、どうすべきなのかという考え方一つで変えることの出来る面があるのです。」(220頁)と著者。確かに言文一致成立史をみるとそんな気はする(坪内逍遥が二葉亭四迷に円朝を元に書いたら?と提案をしなかったら、別様なタイプの日本語の流れがでたかもしれない)。「もしもう一度明治時代をやり直したとしたら、いまと大きく異なる日本語が出力されても不思議はないだろう」(ユリイカ'09年2月号福嶋氏)。考え一つで日本語を方向付けできる面があるとする議論自体には同意できる。だが著者の思い描く方向へは向かってほしくないな。

本書は、内容は特に悪くないと思うが、「意見」で私のようにつまづくひともいるのではないだろうか。
5.0 日本語の豊かさと煩雑さの由来(2006年7月11日投稿)
 本書は1943年生まれの日本語史・擬声語研究者が2006年に刊行した、一般向けの古代から近代までの日本語通史であり、話し言葉と書き言葉のせめぎ合いという観点から、各時代の特色を出す形で、即ち奈良時代は文字(漢字の借用による和語表記の開始→異言語の隣国から文字を借りたことによる和語表記の困難)を中心に、平安時代は文章(仮名文字の発明による多様な文章表現法→漢字カタカナ交じり文体の発生)を中心に、鎌倉・室町時代は平安古典文法の変容(武家社会化、論理化、連体形による終止形の吸収を背景とした、係り結びの消滅に注目)を中心に、江戸時代は音韻と語彙(江戸町人層の台頭による、近代語の形成)を中心に、明治以降は近代国家の形成を背景とした言文一致問題を中心に、具体的な例文を挙げながら、できるだけ現象の起こった原因にまで立ち入って、日本語の変容過程を論じている。その上で著者は、現在の日本語にとっての課題として、表現の豊かさの反面たる煩雑さの存在を指摘し、日本語話者一人一人がこの問題と自覚的に取り組むべきことを主張している。本書は非常に読みやすく、興味深い事実も多々掲載されており、きわめて面白い本だった。他方、「日本語」の強調からも推測できる通り、日本国内の言語的多様性(諸々の「方言」の存在)の問題は、少なくとも正面から論じられてはいない(散発的には出てくるが)。また他言語との比較も、他言語の歴史を踏まえた上で体系的に行っているようには見えないのだが、どうだろうか。
2.0 うーん、いまいちです。著者は、日本語の歴史の専門家ではありません。
どこかで見たことがある文章だなあ,と読んで感じました.

平凡社「日本語の歴史」と同じいいまわしの個所が散見されます.平凡社の「日本語の歴史」は,引用文献に上がっていますが,言い回しまでそのまま使う,というのはどうでしょうか.
たとえば,第III章の章題「うつりゆく古代語」は,素敵な言い回しですが,平凡社第4巻タイトル「移りゆく古代語」を平仮名表記しただけですし,7ページ11行目,「言語芸術の花を開かせます.」も,うまい言い方だなあー,と思って,調べてみたら,やっぱり,平凡社第3巻「言語芸術の花ひらく」を漢字にしただけでした.こういうことは、学者のやるべきことではありません。

文章全体も「です」「ます」調で統一されているようにみえますが,突然「〜ね」とはなしかけるような口調になります.私には読みにくかったです.

学問的にもどうでしょうか.発音に関する知識不足は,他のレビューアがすでに指摘しています.他にも,187ページで日本人が作り出した新漢語として「幾何学」があげられていますが,これも違うでしょう.
「幾何」は,英語の "geometry" の漢語の音訳である,と考えられているはずです.接頭辞 "geo-" の音写として「幾何」(チーホー)という単語が,中国で考案された,とするのが,現時点でのもっとも普通の理解だと思われます.日本語の「幾何」はこれの輸入であり,日本語の音として「きか」と読む,というのが,大半の見解でしょう.

最終章もよく書けているとは言い難いです.「カタカナ語をどうするか」ということについても,結局なにが言いたいのかわかりません.

新書の目的は,手軽に読めるということですから,この本の存在価値もないこともないのですが,日本語の歴史に真面目に取り組むには,平凡社の方を読まれることをお勧めします.筆者は日本語の「歴史」に関しては素人で、本書は適当に参考文献をまとめただけのもの、という印象がぬぐえません. 大学院生のレポート程度です。

「日本語の歴史」というマイナーなテーマを、広く読まれる新書にまとめることで、日本語に興味を持ってもらおう、という出版社のアイデアと労力に敬意は表したいとは思います。星3−4つとしたいところですが、平凡社から言い回しをそのまま使っていること、学問的な検討が不十分なことから、誤った知識を広める可能性がある本ですので、星2つとします。教授たるもの、ちゃんと自分の言葉で書きましょう。
4.0 読みやすいけれども要注意
 読みやすいのはいいけれど、この著者、音声学に関しては勉強不足。特に、132ページから133ページにかけて、現代と江戸時代の発音に関して「じ・ぢ」はともに[dろi]だけ、「ず・づ」もともに[dzu]だけとくりかえし述べているが、それはまちがい。音声記号で[d]は、発音の際、舌先が歯茎に接触することを意味している。現代語では語頭の場合や撥音「ん」、促音「っ」のあとなら、その「じ・ぢ」「ず・づ」は舌先が歯茎に接触する[dろi][dzu]の発音(破擦音)になる。しかし、それ以外の場合、舌先が歯茎に接触しない発音[ろi][zu](摩擦音)になるのが普通。例えば、「じじい」という単語の場合、一音目の「じ」は舌先が歯茎につくことが多いはずだか、二音目の「じ」は舌先が歯茎につかないのが普通。つまり、現代日本語の「じ・ぢ」「ず・づ」の四文字にはそれぞれ二種類の音があり、無意識のうちにその音の現れる環境の中で発音し分けている。ただし、「現代仮名遣い」ではそれを例えば舌先がつく「ジ」は「ぢ」で書くとか、舌先のつかない「ジ」は「じ」と書くというようにはしていないということ。江戸時代の『蜆縮涼鼓集』においても、「ぢ」「づ」は舌先が歯茎につく、「じ」「ず」は舌先がつかない、これをわきまえて書けといっている。でも、実際には聞き分けができなくなるとともに、発音も、その違いのわかる前の世代に比べて、語頭以外の破擦音が出しにくくなって揺れてきたせいで表記が混乱し、収拾するのが難しくなったというのが真実だろう。32ページの表2も、「ざ・ぜ・ぞ」を含めて修正・補足が必要(「ザクロ」を[dzakuro]と発音しても、「サザエ」を[sadzae]と発音する人は、まずいないはず)。他にも150ページの音声記号の表記に初歩的なまちがいがある([om]+[yo:ろi]→[ommyo:ろi]の中の[y]は、[j]で表記すべきところ)。概説書としては好著だけに、もっと慎重に記述してほしかった。関心のある方は、川上蓁氏の名著『日本語音声概説』を一読されるとよい。
4.0 面白れーーーー!!
なんでカタカナってできたのか知ってますか?
現在の母音の数は5個ですが、昔も同じだと思いますか?


上記の事柄がこの本読むとワカリます(笑)
コレ本当に面白いですヨ!!
今や暴言となっている言葉が昔は尊敬語だったり!!!!
心の「へ〜」ボタンが沢山押される事間違えナシです
(≧∇≦)人(≧∇≦)人(≧∇≦)


途中、授業の古文の説明らしきトコは眠くなりましたが(=^エ^=)

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