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日中関係―戦後から新時代へ (岩波新書 新赤版 (1021))の商品レビュー 冷静な目で見た日中関係
どちらとも偏らず、冷静な視点で記されている書籍である。 虚構に浮かぶ危うい関係
中国は、戦前の日本を一部の軍国主義者と被害者である一般国民という二分法で理解し、この構造を建前として戦後の日中関係を構築してきた。しかし、この二分法が虚構に過ぎないことは説明を要するまでもなく、哀しいかな著者もこのことを十分に理解している。しかし、明確に指摘はしない。恐らく、怖くてできないのであろう。だが、虚構を建前として、真の友好関係を作れるだろうか。著者は政府要人の靖国神社参拝に反対らしいが、虚構を建前として靖国神社に替わる追悼施設を作ったところで所詮は弥縫策に過ぎない。虚構の上に作られた関係は、言論の自由が在る限り激しく動揺するだろう。 日中の戦後は、まだ終わっていない
日中の戦後は、まだ終わっていない。日本は終わったと思っているが中国は思っていない。日中の齟齬はそこにある。というのが筆者のスタンスである。 鋭い中国の政策決定過程分析
本書は現代中国論が専門である著者が日中関係につき、中国の政策決定過程等を明らかにしつつ分析した本。学者である故に、多くの歴史文書に依拠し、かつそれらを参考文献として記載しているために、情報源としてもかなり役に立つ。 健全な日中関係を念じる著者の分析と提言
今、中国は急速に伸びている。その傾向に関して囁かれる中国脅威論も崩壊論も、日中関係を好転させるには「百害あって一利なし」と言う著者の言。今後中国とどう付き合うべきかを考える前に、どう付き合ってきたか、どう付き合っているか、それをしかと知らねば話にならない。そう言う観点から、本書は極めて理路整然と冷戦時代から始まって、日中正常化のプロセス、改革開放政策、そして構造変革する日中関係が時代の流れに沿って簡明に述べられている。そして、大切なのは、日中はパートナーになりうるか、新たな関係を模索するという、本書の鮮やかな構成になっている。更には、中国での現代日本研究に意見を述べているのがいい。「等身大の日本」をみてほしいということ。「日中間で実のある学問的対話ができることを切望している」(雅) 本の最新売り上げランキング - トップ10 | |||||||