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翻訳家の仕事 (岩波新書)

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翻訳家の仕事 (岩波新書)の商品レビュー

3.0 文芸翻訳家になる人は文学職人です
この本は以下の人にはオススメしません。
1、ちょっと語学が好きなので、翻訳の仕事もいいなーーーと軽く考えている人
2、文学論にはあまり興味がない
3、産業翻訳のノウハウを知りたい人

私は、産業翻訳の仕事の可能性を少し考えていましたので、この本は私向きではありませんでした。

ここでいう「翻訳家」は文芸翻訳家のことを指しているようです。
しかし、彼らは本当に「職人」です。本当に文学が好きで、気がついたら翻訳の仕事をしていたという方が多いですね。
近年、ちょっと語学が出来るという人は日本でも増えてきましたが、少なくとも「文芸翻訳家」に関しては、「ちょっと外国語ができる」程度では到底つとまらないということが、この本を通じてわかったような気がします。
自分を含め、甘い夢として「翻訳家」の仕事を考えている人には、かえっていい薬になるかもしれませんね。

しかし、楽な仕事はありませんね(笑)
4.0 翻訳家を目指す人に

翻訳と通訳、語学を扱うという事で同じものと考えがちだが、本質はまったく違う。又適性も違う。

翻訳はいわゆるこつこつ学者型に向いているのだろう。

ここに登場する37人の方(古語の解説者も含め)は翻訳家であると同時に学者の方が殆んどである

その様な方たちがどのように言葉の世界に入り、どのような苦労をされ、どのような喜びがあったかを垣間見ることが出来たのは、(時折翻訳をすることもあるので)非常におもしろかった。
ただ、これを読み、翻訳家には才能がいるのだな・・・とつくづく感じてため息をついてしまった。

ロシア語の翻訳の大家の方、殆んど校正せず、完璧に翻訳していたと聞くと、いつもひねくり回しながら、あーでもないこーでもない、と悪戦苦闘しているわが身(時々翻訳します)が情けなくなる。

ただ知らない外国語文学に触れるには忠実かつ優秀なる翻訳家の存在が不可欠。
今まで面白くも無いと思っていた作品が違う翻訳家の手にかかって自分の心を奥深くから揺さぶることもある。

ここに出てくる翻訳家の方が新たに訳した古典小説が大変な売れ行きだそうだ。
こうなると翻訳家の方の使命は非常に重い。

翻訳に興味のある人、外国文学が好きな方には翻訳の世界を、垣間見る事ができてお勧めです。
3.0 翻訳家のエッセイが凝縮されている
37人の翻訳家のエッセイが書かれているもので、1つのエッセイは短いのでさくさくと読むことができる。どのエッセイもなぜ翻訳を始めたのかとか、どんなことが辛かったか、または楽しかったかを書いている。それぞれの翻訳家に個性があり、その世界の奥深さが感じられた。

残念だったのは、岩波書店だからしかたないことだが、37人の翻訳家はすべて文学作品の翻訳家であるようなのだ。技術翻訳や特許翻訳、映画字幕翻訳の話はでてこない。やはり、世の翻訳家というのは文学作品だけになるのだろうか。

翻訳に興味のある人にはおすすめはできるが、そうでない人には退屈だろう。
4.0 翻訳者は日本語が面白くなくてはならない
 翻訳論というと、なにやら小難しい話になって、ほんのさわりで敬遠になりそうだが、この『翻訳家の仕事』は、三十七人の錚々たる翻訳家たちが、翻訳という仕事をめぐって、肩の力を抜いてざっくばらんに思いを語ったエッセイ集だ。三十七人といっても一人当たり五、六ページの分量なので読者もその数に圧倒されずにあっという間に読み終えることができる。この三十七(人)編というのが微妙なところで、三十七人以上だと内容がばらばらになりすぎて統一感にかけるだろうし、それ以下だと本書の企画意図が出ないありきたりの翻訳論になってしまっただろう。この辺が岩波書店編集者の編集のうまいところかもしれない。三十七編を読み通して見ると、三十七人の強烈な個性が放つ翻訳という営みにあらためて感心し畏敬の念を表すことは言うまでもなく、また翻訳とは何なのかという究極的な答えは出ないにしても、ある翻訳に対するイメージが仄かに浮かび上がってくる。それは読者が各人想像していただきたいけれども、ただこれだけ言えるのは、三十七人全てが他言語の精通者だけでなく、日本語に堪能であり、なによりも日本語の精通者であるということ、これは紛れもなく一編一編を精読すれば納得されるだろうし、翻訳を志す人達のいわば逆説的なメッセージであろうかと思う。 
3.0 「翻訳」という仕事の背景が分かる
 読者が、何を求めて本書を手に取ったのかは伺い知れぬが、翻訳家を志す人にとっては、本書の著者の一人である若島正が推薦する『翻訳困りっ話』の方が、より詳しく書かれているのではいか(私は未読で、断言はできぬのだが)?
 機械的な直訳でなく、それが読まれる国の文化に合わせて文体も時には描写でさえ変更してしまう、いわば超訳(シドニー=シェルダンではないが)の能力が翻訳家には求められ、時には原文が書かれた舞台を確かめる必要もあると思う。
 だが、、何人かの執筆者も「苦しみの後に満足感はあるが、銭は稼げない」と述べているように、本書後半の「執筆者紹介」を見ても「翻訳家」専業で食っている人は皆無であり、大学教授という本業の下、翻訳を行なっているようだ。
 このような労多くして実りの決して多いとは言えぬ翻訳家あってこそ、私のような日本語でしか読書できない者でも様々な本を楽しむことができるのだと、読後大いに感謝した。

 感謝しながらも評価3なのは、紙幅が少なすぎて、触れられている作品に関するエピソードを知りたい気持ちに欲求不満が残るからである。

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