商品の情報
エスペラント―異端の言語 (岩波新書)

エスペラント―異端の言語 (岩波新書)

この商品が欲しい!
この商品は Amazon.co.jp で購入することができます。このボタンをクリックすると、商品が Amazon.co.jp のカートに入ります。

エスペラント―異端の言語 (岩波新書)の商品レビュー

5.0 あらゆる、趣味の外国語学習者へ
誰でも知っていて誰も知らないエスペラントの通読書。3昔以上前の学生時代、身近にエスペラントを勉強している人がいてテキストを見せてもらったことがあったから、今よりは流行っていたと思われる。

そのときは得体の知れない人工言語など使い物にならないと思っていたが、近年、ドイツ語を趣味としてから言語学自体にも興味を持つようになり、本書が出版されて間もなく読んでエスペラントも意外に奥が深いことを知った。そしてこの正月休み、暇に飽かして気になる章(もう一つの人工言語Occidental)を開いてみたら面白くてそこだけで止めることができず、一気に全部再読してしまった。

エスペラントは語彙の75%がロマンス諸語、20%がゲルマン諸語、5%がスラブ諸語由来という。つまりは汎西洋語だ。欧州語の幾つかを齧っていれば、それだけでかなり分かる。加えてドイツ語のような格変化の激しい言語をやっていれば、なお有り難さが分かる。

英語が実用の国際共通語としてほぼその地位を固め、準国際語としての仏・独語すら相対的にその地位を大幅に下落させた現在、エスペラントの可能性は更に縮小したと言えよう。

しかし著者の指摘「今でも国際学術会議などでは、その内容はとりたてて大したものでもないのに、英語が話せるだけで、学芸会の舞台に登ったようなぐあいにはしゃいでいる人たちはよく見かける」(p.199)は、無邪気な英語信奉者(いわゆる英語使い)への痛烈な戒めであり、思わず膝を打った。英語だけでどこでも用事が足りると思うのは大間違いで、相対的な優占度に過ぎない。先日、旧仏領を旅してきた友人が英語は全く通じなかったとぼやいていたし、ドイツ語圏でも英語だけでは通りすがりの観光客としてしか相手にしてくれない。

英語の重要性を否定するものではないが、エスペラントあるいは仏・独・スペイン語などの国際語としての重要性を、過小評価してはならないと私は思う。

本書はエスペラントを切り口とした欧州語一般言語学の本として、十二分に面白く見識が深くなる。 外国語を趣味とする人に、黒田龍之助「その他の外国語」「はじめての言語学」、千野栄一「外国語上達法」「言語学への開かれた扉」も併せて推薦したい。

なお、エスペラントはジョージ・オーウェルの社会主義批判書「1984年」にも、形を変えて登場していることを私は本書によって知った。オーウェル愛読者にも、本書をお薦めする。
5.0 エスペラントの「志」とは?
 本書を読むことで久しぶりに言葉について考える機会を得た。

 言葉にはパワーゲームの一面がある。例えば 組織毎に その組織だけで通用する言葉がある。会社ごとに その会社内部だけで使う言葉がある事は確かだと思う。
 その場合 その「言葉」を「正しく」使うことが その組織での「組織員」であることの条件となる。これは会社だけではなく 小学生のグループでも ゲートボールの会でも同じだ。おそらく ある種の人間の本能なのだと思う。

 国の言語も基本的には そんな本能の延長にある。戦前に日本が植民地に押し付けた日本語教育なども そんな一例だ。植民地の国民に 日本語を話させることで 「日本」という組織に組み込むという作業は 基本的にパワーゲームなのだと思う。

 エスペラントは まさに それの裏返しから出てきた人工言語である。国や民族といった「組織」から独立した言語という考え方は 志は高かったのだと思うが 基本的にはWORKしていないのが現状だと僕は考えている。現在エスペラントを学ぶ方が居るとしたら それはその「志」に共感した方に限定されるのだと思う。

 一方 ネット社会を迎えて 世界共通言語としての英語の覇権は強まる一方だと思う。ネット経由で情報が流通する時代にあたり 英語能力の必要性は高まるばかりだと思う。これは良いとか悪いとかいう問題ではなく 現実として「そういうものだ」というようになってきたのだと思う。
 その意味で エスペラントが目指した「志」とは 全く違う地平線上で 世界共通語としての英語が 成立しつつあるのではないかというのが僕の最近の印象だ。

 そう考えながら本書を読み進めた。著者の田中克彦が読者に期待した読み方とは言えないとも思いながら。
  
5.0 エスペラントの可能性を知るのではなく、互いを理解するための言語の可能性を知る書
 エスペラントの概要やその歴史的・思想的背景について平易にまとめた書。
 名著と呼べる「ことばと国家 (岩波新書)」の著者ならではの、知的好奇心を満たしてくれる、さすがといえる本です。

 私は英・独・仏・西といった言語を一通りかじったクチなので、様々な欧州系言語の要素を含んだエスペラントで書かれた本書内の文章のいくつかは、エスペラントの文法知識が一切なくてもおおよそ読み解くことができました。

 しかし裏返して言えば、欧州系言語の幅広い知識が前提となって初めて容易であると実感できるエスペラントは、英語学習にすら多大な時間と労力を強いられることを運命づけられた日本人にとってやはり遠い存在であると言えます。私の印象では、著者はかなりエスペラントに肩入れしているように思われましたが、それは言語学者として平均的日本人読者の何歩も先を行っている者だからこそ言えることであるような気がします。本書を読んだからといってエスペラントが一般の人々にとって今まさに学ぶに値する理想の国際共通語であるとは考えられませんでした。英語を捨ててまでいきなりエスペラントの学習から入ることが現実的であるとは、様々な国の人々と長年に渡って英語でコミュニケーションを実践してきた私には到底思えないのです。

 ですが本書で私が大いに学ぶに値すると思うことができたのは、母(国)語を異にする多数の人々が理解と連帯を得ようと苦闘した血と汗の長い歴史がこの言語の背景にあるという点です。大杉栄と北一輝とを同時に魅了したという点にもそれは見られます。
 今からエスペラントにいそしもうと意気込むのではなく、人類が互いの理解を深める上で(エスペラントに限らず自国語も含めて)言語というものが持つ意義と可能性とを今一度見極めるべき。そして自国語を鍛えることもまたその一環といえる。
 そんな読後感を得た大いに有意義な読書でした。
5.0 比較的公平な視点からのエスペラント論
著名な言語学者によるエスペラント論。
エスペラント文法の初歩についても簡単に触れているが、主にエスペラントの誕生とその運動の広がりについてページが割かれている。
さすがに言語学者だけに、言語としてのエスペラントについての分析は非常にわかりやすく、読ませる内容だ。

ただ、著者は筋金入りのエスペランチストでもなく、反対派でもない。
自らあとがきで「私は中途半端なエスペラント・シンパ」であり、本書を「にえきらない本だ」と書いているが、確かにエスペラントを賞賛したかと思うと、直後にその限界を指摘したりと、「にえきらない」面のあることは否めない。
だがそのぶん、読者も比較的公平な視点でエスペラントを眺めることができるのが本書の特長だ。

私自身、エスペラントの理想はすばらしいと思いつつ、国際語としての地位獲得はもはや難しい(20世紀前半なら、ありえたかもしれない)と思っている。
著者はさすがにそうは書いていないが、第二次大戦前のアジアで、エスペラントがいかに広がっていたかを説く章などからは、そういった「可能性に満ちた時代」へのノスタルジーのようなものが感じられなくもない。
4.0 エスペラントの歴史からみる言語と社会
 言語というのは生得的なものなのか人工的なものなのかといった究極的につきまとうテーマについて、エスペラントの歴史や歴史をたどりながら見ていく。一種のエッセイという形に近く、様々な登場人物やトピックが縦横無尽に出てくる。
 比較的読みやすい形式だが、一つ一つのテーマやトピックは「トリビア」的なものも多いが、あなどれない。田中氏の言語というもの対する考え方を味わうことができる。
 読んでおいて損はない一冊である。ただし、エスペラント語の学習書や概説書ではないので念のため。

本の最新売り上げランキング - トップ10

1位 1Q84 BOOK 1
おすすめ度: 価格: ¥ 1,890  通常2~5週間以内に発送
2位 1Q84 BOOK 2
おすすめ度: 価格: ¥ 1,890  通常2~5週間以内に発送
3位 ザ・トレーシー・メソッド DVD Book
おすすめ度: 価格: ¥ 2,850  通常2~4週間以内に発送
4位 天才は10歳までにつくられる―読み書き、計算、体操の「ヨコミネ式」で子供は輝く!
おすすめ度: 価格: ¥ 1,260  通常2~4週間以内に発送
5位 ゴーマニズム宣言SPECIAL天皇論
おすすめ度: 価格: ¥ 1,575  在庫あり。
6位 赤ちゃんの脳を育む本 (セレクトBOOKS)
おすすめ度: 価格: ¥ 1,365  一時的に在庫切れですが、商品が入荷次第配送します。配送予定日がわかり次第Eメールにてお知らせします。商品の代金は発送時に請求いたします。
7位 忌野清志郎 ロッキングオンジャパン特別号―1951-2009
おすすめ度: 価格: ¥ 1,050  在庫あり。
8位 2‾3才からの脳を育む本―おうちで出来るカリキュラム満載 (セレクトBOOKS)
おすすめ度: 価格: ¥ 1,365  通常4~8日以内に発送
9位 やめる力
おすすめ度: 価格: ¥ 1,260  在庫あり。
10位 ザ・十和子本
おすすめ度: 価格: ¥ 2,100  在庫あり。
こちらもおすすめです
ことばと国家 (岩波新書)
おすすめ度: 5.0
価格: ¥ 735
在庫あり。
4時間で覚える地球語エスペラント CD付
おすすめ度: 4.0
価格: ¥ 2,940
在庫あり。
言語学とは何か (岩波新書)
おすすめ度: 4.5
価格: ¥ 777
在庫あり。
CDエクスプレス エスペラント語
おすすめ度: 5.0
価格: ¥ 2,310
在庫あり。
対論 言語学が輝いていた時代
おすすめ度: 4.0
価格: ¥ 2,310
在庫あり。