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ブログ 世界を変える個人メディア

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ブログ 世界を変える個人メディアの商品レビュー

5.0 ジャーナリズムとしてのブログを中心として
ジャーナリズムのブログを中心として、インターネットがいかに個人の情報発信を助けたり、真相を知ることを容易にしたり、政治的なムーブメントを起こしやすくしたりしたかを書いた本。

日本でよく取り上げられるブログの話はない(日記をさらす、程度の認識の話ではない)。ゆえに、ブログの書き方を学ぼうとしている人には向かない。

それはさておき、韓国の政権交代劇、アメリカのスキャンダルなど、インターネットがいかに世界を変えうるかがよく書けているので、星5つ。
3.0 ネットジャーナリズム
 最初に気をつけないといけないのは、本書はブログに関する本ではなくて、ジャーナリズムに関する本だという点だ。

 ブログだけに限らずBBSやウィキ、メーリングリスト、携帯メール等の主にインターネットを利用した情報発信が手軽に行えるようになった結果、今まで一読者でしかなかった人々が言わばプチジャーナリストとして活動できるようになり、既存のメディアでは成し得なかった報道が可能になり、ジャーナリズムの新たな局面が訪れる。著者の主張は要約するとこんな内容だ。確かに、その分析は的を射ているように思う。
 
 ただ、個人の情報発信が手軽に出来るようになったことに対する負の側面、あるいは著作権の侵害といった問題について、著者はあまりに楽観的過ぎると思う、取材対象者のプライバシー、ニュースの正確さ、著作権侵害、これらの問題について十分な考察がなされているとは思えない。言論の自由との兼ね合いも合って難しい問題だが、著者の意見はあまりにも言論の自由に偏り過ぎているように思える。
4.0 メディアとしてのブログ
日本では手軽な情報発信のツールとして定着しつつある「ブログ」について、メディアとして情報発信の可能性について事例を紹介している。

本書を読んでいて感じたのはブログという形式やシステムの素晴らしさよりもRSS技術について作者はほれているのではないか。共通のフォーマットにより、情報を取得する。企業もメディアも個人もその共通のフォーマットにより情報発信が行える。そんな世界の到来の素晴らしさを論じているのではないか。
3.0 翻訳サイドが本書の意義を理解していない
個人的に、ダン・ギルモアは「人の講演の最中にメールチェックをする注意力散漫な男」としてあまり評価は高くないのだが、それを抜きにしても、書こうと思えば誰にでも書けた本だと思う。挿入されたエピソードの数々はほとんど日本国内の事例に置き換えられるから、日本人が書いても違和感はない。特に日本には2ちゃんねるがあるわけで、より刺激的な事例には事欠かない。

だが、実際にこの傑作(傑作には違いないと思う)をモノにしたのはギルモアである。この違いはおそらく、「熱意」のようなものではないか。これからのジャーナリストは、資格の有無や所属組織は関係なく、熱意の有無だけで一般人と区別されるような気がする。そして、熱意のある人だけが、この革命をドライブしていくのだろう。

本書の中で、これからのジャーナリズムにまず必要なのは誠意であるみたいな表現がよく出てくるのだが、だとするとこの邦題はあまりに誠意に欠けている。本書に出てくる「ブログ」はあくまで市民のパワーを拡大するツールのone of themに過ぎないのに、まるで本書がブログに関する本であるかのような誘導をするのは、あまりにマーケティング主導すぎないか。

確かに、本書の主要なターゲットは、まだインターネットのパワーに気づいていない人たちだろう。すでにそのパワーに気づいている人にとっては目新しいことはほとんど書かれていないし。だからといって、そういう人たちの目にとまるように、本題から遠く離れたタイトルを付けるのはどうかと思うのだが。

そう言えば、原書はCCの元で公開されているんだが、邦訳は公開されてないのかな。asahi.comを探したけど、見つからなかった。もし非公開だとしたら、やはりこの本を訳す媒体としては失格じゃないか。
4.0 テクノロジーの進歩がジャーナリズムに及ぼすインパクト
日経BPのレビューには「ややほめすぎ」とあるが、別にブログをほめることが本書の趣旨ではない。
「ブログを初めとするテクノロジーにより、今まで莫大な投資をしなければできなかったニュースを発信するという行為が、誰でもできるようになった、その環境変化をうけ、ニュースを発信してきたメディア、そのニュースを読んでいた一般市民、取材対象となる人の関係がどのように変化していくのか」
というジャーナリズム論について、豊富な実例を踏まえて論じられている。

実例が多い半面、その実例から導き出される「締めの一言」のような強いメッセージが少ないため、読むに少々骨がおれた。

下記のような方には、お勧めの一冊。
・「ブログ?ただのWEB上のお手軽日記システムのことじゃないの?」と思っている方
・「テクノロジーの進歩がジャーナリズムにどのような影響を今後及ぼすか?」という点に興味がある方
・ブログ、ウィキ、RSSなどのテクノロジーがここ数年で社会にどのような影響を及ぼしたかという歴史を整理したい方

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