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ネクロポリス 上

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ネクロポリス 上の商品レビュー

3.0 装幀が素晴らしい
 まずは何よりも装幀が素晴らしい。薄く霧にかすんだようにアナザー・ヒルの昼夜が浮かんで、恩田さんの描く「異国」を存分に表現している。自分たちが今暮らしている世界とは霧の向こうに感じる世界で、たったこれだけの工夫で世界を表現できる……単純に「凄い」なぁと感心してしまいました。

 他のレビュアーの感想を読んでいると、評価がかなり分かれています。ミステリとファンタジーの融合というような書き方もされていますが、この作品はミステリだと思うと酷評したくなるのではないでしょうか。V・ファーという異質な世界のルールの中に紛れ込んでしまった旅人のつもりでずっぽりと首までおぼれてしまって異世界に浸かってみた方が楽しめるかと思います。
 「お客さん」にウチもあってみたいなぁ。
3.0 ???
上下続けて読んで、まずは上巻の感想から。

 恩田小説には珍しく、唐突に話がはじまった、と言う印象で幕を開ける今作。
 『お客さん』と死者達を呼び、『ヒガン』のおよそ一月の間、生者同様実体を持つ彼らに出会うことができる街、V.ファー(アナザー・ヒル)。
 主人公、「ジュン」がそこへ行くために乗る船着き場から物語がはじまります。

 が。

 一体このアナザー・ヒルがどこなのか、さっぱり分からないのです。
 もちろん舞台が特定出来なくとも(出来ない作品の方が多い)作品が進んでいく上で問題はありません。
 ですが、後述の数々の矛盾点から、どうも「落ち着かない」感覚、物語の世界にどっぷり入って読み進められない感覚がぬぐえないのです。

 文中の記述から、島であること、日本と交流があること、イギリス領であることはわかるのですが、
では具体的にどこか?というのがいまいち想像しにくいという印象が続きました。
 金髪碧眼や、巻き毛の少女がでてくるにも関わらず、どうやら使用言語は「日本語」。
 この何とも言えない矛盾感が、私にとって作品に浸りきれない、「不安定感」をもたらしています。

 ですがまあ、取りあえず国外のどこかで行われる『ヒガン』、大学院生である主人公は、調査の為に乗り込み、そこで思わぬ体験をたくさんします。
 死者との遭遇であったり、卵占いであったりしますが…

 その年英国を騒がせた『血まみれジャック』の被害者が帰ってくることもあり、例年にない盛り上がりを見せる『ヒガン』。
 結婚した相手にことごとく旅立たれる『黒婦人』。
 仲の悪かった兄に先立たれ、戦々恐々と『ヒガン』に挑む青年。
 アメリカから主人公と同じく、調査に訪れた懐疑的な学者、と、
とても舞台建てはよくできています。

 下巻を通して読んだ為、「ここまで煽っといて!」と複雑な気分になれますが、
上巻を読む分にはきちんとドキドキ出来ます。
 作中にもありますが、ホラーとミステリーとファンタジーをごっちゃにするのはよくない、
全く持ってその通りなグダグダ感は、上巻の段階ではそう強くありません。

 上中下で、もっと作り込んで欲しかった一作。

 上巻は面白いです、ですが上下巻まとめての感想は…

『どうした恩田!?』
2.0 う〜〜ん、疲れた。
(上)のみを読んでのレビューです。
何でもありのファンタジーの中でのミステリーということもあり、
よく分からないまま物語が進んだ、そんな印象が強かった。
「アナザーワールド」という舞台の把握が未消化なまま、
ミステリーが始まってしまい、
奇怪な展開も奇怪に感じられない。
「不思議な国では不思議なことが起こる」と、
何が奇怪なこと、ミステリーの入り口なのかピンとこない。
だから、読むのに苦労しました。
次何が起こるんだろうと言うような
わくわく感が起こらないんです。
他の方のレビューを拝見すると
(下)の方が評価が低めです。
気が重いなあ、って感じです。
4.0 待望の長編 上
久しぶりに彼女の長編が読めたという満足感が味わえます。実際上下にわかれた単行本は初めてですね。
日本と大英帝国が入り混じったような架空の土地で起こる事件はたまに何かがはみだしてしまい意図せぬ違和感を感じますが概ねその世界観にひたれます。
きっと人類のルールって神様への約束事。それが侵されるとどうなるんでしょう。
2.0 設定の面白さが作品の面白さにつながっていない
日本の文化である「ヒガン」に「お客さん(死者)」とあうことができる場所「アナザーヒル」という設定自体は興味深かった。作者自身が作品中で登場人物に「ファンタジーとミステリーとホラーが合わさった様な話」と言わせているが、まさにそういった作品だ。ただし、残念なことに、設定の面白さが作品の面白さにつながっていない。上巻は後半の「前振り」と、自分を納得させてなんとか読むことができたが、後半になっても劇的な展開がなく、登場人物でなく読者が「お客さん」にだまされたような、すっきりとしない読後感と徒労感が残った。

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