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ひとがた流し

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ひとがた流しの商品レビュー

5.0 深い悲しみもしみじみと流れていく
あとがきに、あえて「涙」という言葉を使わなかった、と作者が書いていますが、深い悲しみもしみじみと流れていく、そんな話に思えました。友情を軸に、親子、夫婦、といった人間関係を問う内容がさりげなく込められている、という印象を持ちました。物語の軸となるのは、子供のときからの友情が続いている3人の女性とその家族や周りの人たちの話です。

中心人物から脇役までさりげないところで納得させる人物描写で、しみじみと読みました。

蛇足ですが、NHKドラマ(私はドラマを先に見ました)は重要な部分のいくつかを原作と変えています。私は原作の方が好きですし、納得ができます。
4.0 湘南ダディは読みました。
高校で同級であった40台の女性3人、それぞれバツイチの美々と牧子、独身のまま民放局でそれなりに名が売れているキャスター、トムさんこと千波の物語。三様の生き方を選択してきたこの3人が本当の姉妹よりも打ち解けあい頼りにしあいながら生きていく日常が細やかに語られています。この物語で素敵なのは登場人物たちが事に当たって、友人のため、友人の娘のため、あるいは自らのため本当に真正面から語りかけるところです。自分が尊敬してきた父親が実の父親でないことを知ってしまった美々の娘、玲にトムさんは諭します。「いい玲ちゃん、あなたにはお父さん、お母さん、それに私をふくめてあなたのことを大事に思ってくれる人が何人もいるのよ。でもお父さんには夫婦であるお母さんを別にしてあなた一人しかいない、だったらあなたの方がお父さんに気を使うべきだね」他人の娘の、こんな重いテーマに対してこれだけ真正面から語れるでしょうか。自分は一人で生きていけるとずっと考えてきたというトムさんのかなり長い独白があって「でもね、私が病院でわかれる時、牧子が生きていてという顔をしたのよ、私の腕を持って行ってもいいから生きててってね。そのとき私は思ったね、一人で生きているんじゃないんだって」「結婚式の時にいっておやり、お父さんありがとうって、それで十分なのさ」こんな会話があって、玲は父親との関係に自分なりの納得をすることになります。
人生の深遠な切片を何気ない日常のなかで淡々とかたりながら物語は進むのですが、中半から一気に緊張感を持った展開になり、ギンジローという牡猫しかいなかったトムさんに10歳年下の伴侶ができるのですが・・・・。
  女同士、親子、大人と若者という異なった生活や背景をもった者同士の間でも、友情や愛がどれだけ悲しみや苦しみ、孤独からの救済になっていくかが声高にではなく語られ、読後に静かな感動にうたれる作品です。
3.0 ドラマのほうが良かった
ドラマを見て原作を購入しました。はっきりいってドラマのほうが良かったです。
3.0 NHKドラマより淡々と
沢口靖子主演のNHK土曜ドラマの原作です。
女性アナウンサー「千波」がニュースのメインキャスターに抜擢されるという人生のピークを迎えたかと思ったとき,病の宣告をされ,降板を余儀なくされる,というドラマの導入部に,
予告編を見ただけで涙腺が緩みましたが,
原作のほうは至って淡々と描かれています。
ストーリーはもちろん同じなんですが,
中心人物である千波の視点で話が進むのではなく,
客観的に淡々と,あるいは,親友2人の視点から語られるのです。
ですので,千波の身を切るような葛藤や苦しみはダイレクトに伝わらず,
「涙」を求めてしまった私には少し物足りませんでした(全然泣けませんでした)。
そのかわり,千波を支えようとする親友2人の祈るような気持ちが温かく伝わり,
読後感はさわやかであったと思います。
本の装丁は,水色をメインにしたパステルカラーの図柄ですが
その透明感ある色合いをそのまま物語に落としたような感じでした。
4.0 こうありたい! 腹6分目の人間関係。
血のつながらない父と娘の関係。思春期の娘とその母の親友との関係。
すでに親友関係を築いた2人に 遅れて加わったもう一人の友達。
親子とか同級生とか 世間一般の人間関係には当てはまらないような、複雑で遠い存在にありながら自らの意思でキズナをつくっていこうとする 心の強さがすばらしい!
そこには、女だからとか子供だからといった甘えが少しも存在しない。

自分の感情を押し出す前に、この築いた関係において 今大切なことはなにか と考えられる心のゆとりと大きさ。 
人間が死ぬまでに手に入れるべきものは、こんな心なんじゃないだろうか。

過剰ともいえるドラマチックな展開をみせる後半ですが、この作品はストーリーより行間をぜひ読んでほしい。
誰も教えてくれない、達観した一握りの人間にしか伝えることが出来ないであろう、
目に見えない本当の“キズナ”ってやつが見えてきます。

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