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「たいそう手放しに本をほめている」と著者自身があとがきで述べるように、 基本的に、ほめてばかりいる書評集。 それでもよく読むと、熱の入れようが作品ごとに違うことがわかる。 「『ほんとうに自分がいい』と思ったものについてだけ、書きたい」 の「たい」は希望の「たい」で、 本書がそれを実現しているのではない、ということなのかも? 文芸誌新人賞や芥川賞の川上氏の選評は、 とぼけた様子でありながら実はとぼけることなく (選考委員がとぼけるわけにはいかないから?) 作品と、ご自身と、文学と向き合っていて、 その、静かにひりひりとしているような文章に大変好感を持っているのですが、 本書にはその「向き合った」感じ、が感じられませんでした。残念。