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ベスト&ブライテスト〈上〉栄光と興奮に憑かれて (朝日文庫)

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ベスト&ブライテスト〈上〉栄光と興奮に憑かれて (朝日文庫)の商品レビュー

5.0 今の時代に通じるものがある、アメリカの愚かさを克明に描いた名著
「ベスト&ブライテスト」とは、ケネディとジョンソン政権において国家安全保障を担当し“最良にして最も聡明”と謳われたエリートたちのことである。合理主義で行動的、実行力に富んだ彼らが、のちに“賢者の愚行”と評されることになるベトナム戦争へと突き進んでいったのは、なぜなのか。本書では、大統領になったJ・F・ケネディが輝ける経歴を誇る面々を招集するプロセスと、彼らが直面した大きな課題〜キューバ危機と中国の崩壊〜を通して、ベトナムへの軍事介入への“奈落へ向かう渦巻き”へ巻き込まれていく道程が描かれる。

著者はいう。
---3回にわたって連載された記事の表題・・・「われわれはなぜ中国を失ったか」は心にとめておく価値がある。中国はわれわれのものなのだった。失うべき何物かであった。そしてこの前提こそ、その後何年にもわたって外交政策決定者の心をむしばむのである。---

アメリカは今も、何物かを失うまいとして戦い続けている。ベトナム戦争当時と国際情勢は大きく異なっているが、そのには現代にまで引き継がれた共通の態度…私が感じるところでは「世界をコントロールしようとする傲慢さ」…がある。当時権力の座にいたエリートたちの姿をイキイキと描きながら、その影に潜む傲慢さを暴き出す渾身のレポート。
4.0 一読をおススメします
今日のイラク戦争の泥沼化を見るにつけ、「ベトナムで懲りるはずではなかったか?」との思いから偶然手に取った本著ですが、期待を上回る出来映えと言わざるを得ません。ベトナムでの米国の壮大な失敗は決して偶然でもなんでもなく、失敗を運命付けられたような気がいたします。
政策参画者たちの自己保身や野心や虚偽はなにも米国に限った話ではありません。

本著の卓抜な人物造形には目を見張るものがあります。

なお、訳文は流麗な名訳と称するに相応しいと思います。
5.0 一級のベトナム問題の政治過程論
「フィフティーズ」や「静かなる戦争」で有名なハルバースタムの出世作。ケネディ政権を支えた「並ぶものなき、聡明な人びと」、ロバート・マクナマラやウィリアム・バンディといった天才たちの栄光と没落を中心に描いていく。第二次世界大戦の勝利、戦後フォーディズム体制の栄光のもとで、驕ったエリート集団たちのテクノクラティックな支配は、結局はあまりに悲惨な現実から徹底的に乖離し、行動科学では割り切れない人間行動のカウンターパンチをくらうことで、一敗地にまみれたのである。
 今のブッシュ政権の面々は「ベストアンドブライテスト」ほど賢くはないだろうが、選民意識だけは匹敵するようだ。ふたたび、本書に並ぶようなものが、アメリカのなかから生まれてくる時代はくるのだろうか。
4.0 マルクシズムか、ナショナリズムか
アメリカによるベトナムに対する軍事介入・拡大の政策決定のプロセスを、当時の主要な政権担当者にスポットを当てて解明していく名著です。アメリカ政府はインドシナ戦争初期に於いては、フランスによる植民地戦争の継続+ベトナム人による民族解放戦争と正しく認識出来ていましたが、中国の共産化・朝鮮戦争の影響で冷戦構造の一環として再定義され、徐々に政策が硬直化し、底無し沼に嵌り込んでいく姿が描かれています。これが近代において世界で初めて西欧列強相手に独立戦争を成功させた国の姿だとは、、、歴史の皮肉とはこういうことを言うのでしょう。

ただ、中国国民党について厳しく描き過ぎていると思いました。ゴ・ディン・ジェムと違って蒋介石は傀儡ではないし、なにより中国にとっての独立戦争である日中戦争の主役は国民党でした。中国共産党にベトミンやベトコンと同じような評価を与えることは出来ません。そういう訳で星一つ減点しました。
5.0 アメリカの苦悩が描かれた最高の本です。
 この本は六十年代のアメリカがいかにしてベトナム戦争に介入していったのか、軍、政治家、大統領、エスタブリッシュメントと呼ばれる集団、さまざまな立場から描かれたとても有名ですばらしい本です。著者は、D.ハルバースタムですが、翻訳者、浅野さんの訳も何の違和感も無く60年代の歴史に没頭できます。ベトナム戦争やケネディのことを知りたい方、アメリカの政治やシステムを知りたい方、ぜひお読みください。ただしダラスのことや、オズワルドのことには一言も触れられていなくその辺の徹底した無視の仕方が、逆にとても新鮮な感じがしました。
 上巻では、ケネディ大統領誕生から、軍事顧問団をベトナムに派遣するまでが書かれています。

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