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「おたく」の精神史―一九八〇年代論 (朝日文庫 お 49-3)の商品レビュー ゆっくり読めます
以前に講談社版を持っていましたが、無くしてしまったので本書を買いました(笑)。 社会学の大きな可能性
出張中にずっと読んでいるところだ。 現在につながる80年代問題の解読
平仮名の「おたく」は今や片仮名の「オタク」に置き換えられ、村上隆を代表とする現代美術やジャパニメーションとして世界的なビジネスの成功をみている。だが著者がこだわるのは「オタク」ではなく「おたく」だ。1983年に発見された「おたく」と、それに関連した80年代的な諸問題は確実に現在の地平につながっている。80年代を語ることは懐古ではなく現代を読み解くことでもある、というのが著者のスタンスなのだと思う。一方で著者は80年代は「一つの隘路」だったと語る。その意味は?ニューアカ、ロリコンまんが、フェミニズム、黒木香、糸井重里、新人類、宮崎勤、岡田有希子、都市伝説、UWF......本の腰巻に羅列された80年代のキーワードを懐かしくも、とても恥ずかしいものとして感じてしまうのはなぜだろう。当時かっこいい、画期的だと思っていた事は、90年代に入るとともにひとつずつその意味合いを反転させていき、現在ではまったく異なった意味に変容してしまった。本書の例を取れば、“団塊世代が主導した消費による階級闘争”。結局それは、1つの価値基準によるタテ関係の「階級」をフラットにした変わりに、ヨコナラビの差異による(努力しても上には行けない)セグメントされた「階層(クラス)」を生むことになった。また、語る内容とは裏腹にニューアカ>新人類>おたくのヒエラルキーを頭に描き、差異化ゲームの勝利者となるべく上昇志向を隠さなかった新人類の存在も今となっては悲しい。この本にはあまりに多くの問題が詰まっているが、80年代に主体的に関わった著者が、彼の資質である“いさぎよさ”と彼の才能である“レトリカルな文章”でまとめあげている。新書にしてはボリュームがあるが一気に読ませる内容である。 本の最新売り上げランキング - トップ10
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