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続 氷点 (上) (角川文庫 (5072))

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続 氷点 (上) (角川文庫 (5072))の商品レビュー

3.0 今となっては陳腐な展開。「贖罪」というテーマを描こうとしたが結局はテレビドラマに終わってしまった
下巻を読むあたりから、「続氷点」のテーマが「贖罪」であることが明確になっていく。

そういう意味で、この小説は高尚なテーマを基本にしたストーリーを描くわけであるが、僕は感動しなかった。

前作の「氷点」に比べて、作家としての腕があがっていて、より読者をひきつけるような展開になっているのが、どうもわざとらしすぎる。

前作で村井に捨てられた由香子が、盲目の按摩師として偶然に宿で遭遇するのもしかり、順子が佐石の娘であったというのもしかり。順子については、手紙が出てくる前に簡単に想像がついてしまった。

また、完全にテレビドラマみたいになっているのが、夏枝と村井のトラブルメーカーぶり。隠して、そうっとしておこう。。。となっているところに、どっちかこの二人が登場すると必ずバレてしまい、誰かがひどく傷つくというくだり。

この辺は、昔の小説だからよかったものの、今ならあまりにも陳腐な小説かテレビドラマの技巧といわざるをえない。不朽の名作はこんな技巧には頼らないものだ。

「罪」は必ず行動で支払わなければならないが、この小説に出てくる話は「罪」とは言えないものばかり。恵子の夫の戦時中の話が唯一「罪」といえるかどうかで、あとは状況に左右された「失敗」なり「過ち」にすぎないと思う。それを許すかどうかというのも白黒で決まるわけではなく、キリスト教を持ち出すまでもなく、毎日クヨクヨしたりしながら生きていくことしかないのではないか。
5.0 真実の愛
殺人犯の娘と間違われ、養母に冷たく遇され、自殺にまで
追い込まれた陽子ですが、彼女は他の登場人物たちと比べると
それほど不幸ではないと思います。彼女の場合は生まれが
特別だったわけで、そのために苦痛を味わっても、それは
彼女自身のせいではなかったからです。生まれ持っての罪と
いうものにこの続編で彼女は苦しんでいますが、それは人間なら
誰しもが持っているものです。人に好かれる容姿や真っ直ぐな
心を持って生まれたことを、彼女は感謝すべきなのでは、と逆に
思ってしまうほどなのですが。それに若い頃の苦労は彼女の
その後の人生の糧にもなったのではないでしょうか。
啓造や夏枝、恵子などのほうに私はより深い同情を感じてしまいます。
それはおそらく、私自身も彼らのように過ちを犯したり、その
罪の深さに苦しんできたりしたからでしょう。真の「愛」を
持った人間になるために、つまづき、苦しみ、模索しながら
歩む道、そのものが人生なのだと思います。
4.0 許すということ
 愛していた母親から,あなたは殺人犯の娘だと冷たく言われ自殺を図った陽子。奇跡的に助かった陽子の周りの多くの人は何らかの形で自殺の要因を作っており,陽子をはじめそれらの人々が自分の罪をどのように許しを得ていくかが「続氷点」。
 結果的に陽子は殺人犯の娘ではなかったが,それは新たな罪を生み出すことになる。表面上は許していても心の奥に残る過去の出来事。他人を許すということは結局,自分自身を許すということではないのか。自分の心をごまかしたままでは他人を心から許すということはできない。
 陽子を取り巻く人々は相変わらず心の中に言いようのないわだかまりを抱えており,誰一人本当に罪を許すことができない。陽子への想いをあきらめきれない徹と北原,そして陽子の弟までを巻き込む状況は,ある意味,陽子の抱えている小さな罪のような気もする。陽子自身もそのことに気が付いているのではないか。
 人は必ず罪を抱えて生きており,その罪を許すために生き続けるものだとしたら人間とは何と悲しい。そんな気にさせてくれる作品。
5.0 引き続く人間の原罪
この本の中で最も清純で、神に近い(神を信じていなくても)陽子が
母親に「あなたは殺人犯の娘だ」と嫉妬心からいわれ、薬を飲んで自殺を
はかります。これが前作「氷点」のラストでした。

奇跡的に助かった陽子は、北海道大学の学生となります。

一方、陽子が自分と血がつながっていないと知った兄の徹は、陽子の

ために陽子の真の父母探しにあたります。

これは、陽子のためでなく、兄でありながら妹を女として愛してしまった
ためでした。

相変わらず、正義のためと思いながら、性のために動かされる兄。

大学生になってもてる陽子を、嫉妬心からいろいろないじわるをする母。

人間の原罪が、行動となってどこまでもさらけだされます。

5.0 陽子の自殺から
自分が殺人犯の娘だ、と母に告げられた陽子は、美瑛川のほとりで薬を飲んで自殺を図った。なんとか助かった陽子に突きつけられた「自分はルリ子を殺した犯人の娘ではないという事実」だった。一方、徹は、陽子の自殺未遂に衝撃とやりきれない思いを感じながらも、本当の陽子の母親に会おうといろいろ試みる。辻口家の周辺と陽子の実の母の周辺が段々と騒がしくなってくる。徹の陽子に対する感情も見物の一つである。この作品は、「人間とは何か」を考えさせられる作品である

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