行き先を失う、それぞれの想い
第一部に続いて、ますます読みごたえがありました。
柚喜は嫁いだ家の柱とも言える存在。子ども達に恵まれたしっかりした暮らしぶり。冷静に考えていつも自分の事よりも、家のため親のための選択をし、その中で精一杯自分を生かして暮らし抜いてきた柚喜。彼女の母妹、家族、そして自分が出生に立会い、腕に抱き取った従姉妹の娘、氷菜。登場人物は皆とてもリアルで魅力的、そして誰の中にも自分の心の片隅にある気持ちをチラッと見つけてしまう気がするのです。冷静な柚喜の揺れる心、妹佐喜のやるせなさ。どの登場人物も自分自信の念、そしてたしかに愛情を持っている。それなのに、互いの想いは次第にすれ違い行き場を失っていく。
誰も特別に悪いわけではない、皆が痛ましく、読んでいて切なくなる。戦争の影がちらつく中の輝くような日々、ドラマを見るように鮮やかに場面場面が浮かんできました。最後であっといわされる、ただの筋立てではないのがさすが玉岡さんの物語。そして何より本当に引きこまれる物語。ドップリはまり、微笑んで考えこんでゾッとして、泣けました。
読んだあとあとまで心に残り、わたしの心の一部になってしまった気がするくらいの物語です。
それぞれの愛情の行く先は
いつも自分の取るべき最良の道を考え、本意ではない状況でも精一杯
生きてきた柚喜。子どもに恵まれ嫁いだ家の柱ともいえる存在の彼女。
それなのに戦争の暗い影が見えて来た時代の中、少しづつ歯車が狂って
行きます。母と妹、そして従姉妹が生み自分がその手に抱き取った姪、
同じ女紋を持つ物同士の間で家族であり、血のつながりがある故に激しい思いが渦巻まいて行きます。
それぞれが確かに愛情を持っているのに。行く先を失って行く思いが
痛々しいです。第一部に続いて読まずにはいられません!