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殺人の門 (角川文庫)

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殺人の門 (角川文庫)の商品レビュー

4.0 父は結局どうなったの?
600ページ超の内、500ページ以上はあまりにも気の毒な主人公の不幸話である。

考えてみれば、筆者の小説の中にはこれ程「殺すまでのプロセス」を徹底的に書いたものは多分なかったと思う。
他のレビューを見ても不満は多いが、恐らく、筆者的には「こういったものもあったほうが良い」という、つまり読んでのモヤモヤとした部分に至るまで「してやったり」なのではないかと思う。

ただかなり人を選ぶ作品であるのは間違いない。
自分は読み終わった瞬間は納得できなかったが、時間が経てば「ああ、むしろ倉持の気持ちもわからなくはない」と思った。

ネタばれは避けたいので、他の作品で例えると、「パラレルワールドラブストーリー」と「宿命」に(あえて言えば)近いかも。

後、父親はどうなっちゃったのかが物凄く気になって・・・。
3.0 誰でも一回くらいインチキに騙されたことあるでしょう?
 皆さんの中には、何年も音信不通だった昔の友人から、突然連絡があり、自分は、懐かしい想いで再会したにもかかわらず、相手から、マルチ商法まがいのうさんくさい商品の販売勧誘であったなどという経験はありませんでしょうか?
 こんなとき、相手に「裏切られた!」という想いとともに、自分を巻き込んだ相手への、過去への好意は失せ、嫌悪感に支配され、二人の関係もそれまで・・・になったことはないですか?
 この物語は、地道に生きていこうとする、主人公田島が、幼馴染みの副主人公倉持から持ちかけられる、不幸の手紙 賭け五目並べ 偽宝石マルチ ペーパー金商法 架空株投資 結婚離婚に 翻弄され 家族や生活を崩壊されてしまい、嫌悪感や殺意までもちながら、関係が断ち切れないどころか?自分の将来をゆだねてしまう内心の葛藤を描いています。ここにあるのは、今の生活から、手っ取り早く脱却したいという焦りの気持ちと、リスクはともなっても現状よりは向上・成功する確率が高いのではないか!と思ってしまううぬぼれた期待感が、あるのだと思います。
 ミステリーとしての鮮やかさみたいなものはありませんが、自分のインチキ商売にひっかかった経験や、過去のこの手の実際の事件を回顧しながら読むと、結構面白いとおもいます。
 尚、表題に「殺人の門」とありますので、過大な期待を持ちますが、「殺人」はありません。「殺人の門」=「殺人までの心情境界線」=「殺意」と理解したほうがしっくりくると思います。
 蛇足で、レヴューとして適切でなく、人それぞれだと思いますが、読み進むうち 田島と倉持のキャラクターイメージは、チュートリアルの福田と徳井で読んでました。  
3.0 本格的なミステリー作品が嫌いな人にはオススメ
 はっきりいって、3分の2位までは面白くないです。そこまでは、「これは東野圭吾作品の中では駄作に入る」と思いましたが、さすが東野圭吾です。最後は必ず「面白かった」と思わされます。ただ、3分の2まではつまらなかったので星は3個にします。

 本格的なミステリー小説を読んで、「現実にこんなことはありえない」と思っている人にはオススメしたい小説です。タイトルの「殺人の門」の意味を知った時には納得してしまいます。
1.0 とにかくイライラする一冊
作者の作品はかなり読んでいる方だと思いますが、これほどイライラしながら読んだモノは無かった。
途中で読むのをやめてしまおうかと思ったけれど、どうにかこうにか最後まで読んだって感じです。
とにかく、この主人公がいただけない・・・救いようのない物語でした。
めったに無い事ですが、読んで後悔した作品ですね。
3.0 好みが分かれる作品
この作品は、主人公である田島和幸が、最終的に殺人者の門をくぐり、小学生時代からの「友人」、彼にとっての「悪魔」である倉持修に対して本意を遂げるまでの背景、生活、心情を修飾することなく一偏に描いた、著者東野圭吾氏による一人の男の半生記である。
タイトルにも書き込んでいるが、この作品は大きく意見が分かれるものであると思うし、それはほかの考察がその証左である。
小学生時代の、発端となった家庭崩壊から、紆余曲折を経て上記の結末にたどり着くわけであるが、殺意の醸成に十数年を要し、尚且つ序盤の主人公の描写に見られた「毒殺」への興味や拘りが、突発的とはいえないにしろ「引き金」によってあっけなく扼殺に終わってしまう結末。さらには嫌悪していた実父と同じ轍を踏んでしまう浅はかさ、相手を疑いつつも口車に乗せられて、益々自身の読者に対する価値を落としてゆく行動、殺害対象であるはずの倉持に対する受動的な態度と優柔不断。
淡々と主人公の人生を頁をめくって眺めている読者諸賢にやるせない思いを抱かせるには十分すぎる主人公像である。唯一主人公が能動的に、衝動的に爆発したのは、やはり始めから終わりまで、自分の人生の些細な幸福も、絶望的な不幸もすべては倉持の掌の上であると悟り、門への「引き金」が引かれた瞬間のみであったのではなかろうか。
さんざん批判的な意見を書いたが、これはこの書冊を「王道的な」ミステリと思って手に取ることで生まれる意見である。
この作品の魅力は、やはり大きなトリックや事件すらない平板な人生の描写だが、それでいて主人公やそれを取り巻く人々の心情、殺意の移り変わりを余すことなく描いている点だろうと思われる。派手な目くらましがない分、筆者の描写力が試される作品であり、それができているからこそ、読者は主人公の諸言動に首肯、あるいは反感を抱くことができる内容に仕上がっているのではないだろうか。

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