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最初は、時流の「ひきこもり」をネタに、軽妙に描いただけの小説だと思っていた。 それはそれで良いのだけれども、それだけの作品だ、と。 しかし、終盤に向けて、俄然おもしろくなった。 自分の中のひきこもり要素が、引きずり出されるようだ。 良い意味で、毒気にあてられる……というか。 まあ、単純に、岬萌えになったというか。 毎朝、会社(黄泉の国)に辿り着くまでの通勤途上は、ドナドナ状態で、喪の儀式に服し、電車・バスで寝ているのだが、終盤は寝ずに、一気に読み通した。私にとっては、久々の体験である。 もちろん、あのラストについて、「相互性に還元しえないのが、喪の苦しみじゃないか(つまり、甘いオチ)」という批判はあるだろう。 しかし、他のオチの形態を想像しても、あれよりマシなのがあるとは思えない。 とても、上品だと思う。それに、喪の苦しみは十分描いてあるから、もういいじゃないか。 また、終盤を「重い」とも評価したくないだよね。 著者がエンターティナー魂がきちんと爆発しているから、単に「おもしろかった」と言いたいんだよね。 著者が本作以降、小説を描けなくなったのも、頷ける。 肉感的なネタを使い尽したのだろう。 なお、今までライトノベルは、内容以前に、生理的(リズム的)に読めなかったのだが、本作は読めた。
「駄目人間のドタバタ騒ぎ」と言えば古谷実の漫画を思い出す。 パッとしないダメ男の所に美少女が.....という展開だがそこから ドラックが絡むのが独特。 「秋葉原」+「トレインスポッティング」=NHKにようこそ! という印象。 引きこもりという社会現象をこうも上手くユニークな形としたのは見事。 私も引きこもりの経験があるので実に共感できる場面もあった。 もっとライトノベル的かと思っていたがそんな事はなく、 良い具合にイカレていて、揶揄する表現が多く面白い。
鬱ヒキコモリ青年を第1章で描いていたのにも関わらず、 第2章でいきなり外出していたりと、読んでいてつっかえる部分が多い。 鬱青年が鬱仲間とめぐり合い、頭の痛くなる組織を結成するような 成り下がり物語かと思って読み進めたのですが、 実際は月並みなボーイミーツガールの着せ替え小説でした。 作中で主人公が合法ドラッグに手を出す場面は非常に鬱々としていて、 後ろ向きで全力で駆け抜けていると感じましたが、 その他はどちらかといえば健全だったように思います。
この本の長所 作者にひきこもり経験があるためか、ひきこもりの人が何を考えているかの一端がわかるところ。 この本の短所 話を面白くするための趣向。アニメや(合法的)ドラッグの描写は、話としては面白いのだが、ひきこもりに対する偏見を助長してしまいかねない描写と言える(みんながみんなアニメファンでもないしドラッグをやらないだろうに)。もっと取材をして書いたほうがよかったのではないか。私個人の見解としては、『ひきこもりからの出発―あるカウンセリングの記録 』(横湯園子 岩波書店)や、『ひきこもりカレンダー』(勝山実 文春ネスコ)の方がリアルでよいと思う(もっとも、フィクションなりの面白さが大事だとすれば、愚見ですが) 結論―長所星4つ、短所星2つ、全体として星3つ。
NHKにようこそは 漫画、アニメと色々メディアミックスされましたけど 俺は小説版が一番好きですね。 テレビや少年誌では絶対やれないであろう合法ドラックネタや暴力ネタが 入ってて良い意味で過激です。 特にカルト宗教団体の集まりに主人公達が 潜入するエピソードが俺は好きです。 このエピソードは 細木数子やスピリチュアルのような曖昧で胡散臭い モノが流行っている 歪んだ現代社会を鋭く風刺していると思う。 ラストは滝本竜彦的には『逃げ』だったらしいですけど これはこれで『あり』なんじゃないかなぁ・・・ この作品を読む人のほとんどは『オタク』と呼ばれる人達なんだろうけど 一般の人にも是非読んでもらいたい作品ですね。