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文庫版上下巻読んでの、“私自身の”感想です。 読んだキッカケは、他の本の検索をしたときに、「この商品をチェックした人はこんな本もチェックしています」で紹介されていたことからです。 作者の山本弘さんのことは「トンデモ本シリーズ」でファンだったということもありますが、この小説の概要を読んで興味を持ち、すぐに購入しました。 そして、期待に応えてくれました。 幼いころ、中に小さな気泡が無数にある濃紺のビーダマを見て、「これはうちゅうであり、この中にちきゅうがあるんじゃないかなぁ」って、真剣に思っていたことがあります。じゃあ、それを見ているボクは何?・・・とも。 そんな空想を、大人になった今、壮大な物語として展開してくれました。 “神の存在の有無・意味”を語る部分については、『カラマゾフの兄弟』の「大審問官」を彷彿とさせるし、(表の面の)加古沢と大和田氏の論は、『銀河英雄伝説』のヤン・ウェンリーに諭されているかのようで、好きです(^^) これまで世界中で起こった超常現象や、世間で奇跡・不可思議と思われている事例を、これでもかっ、と長々と提示される部分は退屈に思えることもあります。でもそれは、「ちょっと調べれば、これほど頻繁に発生していることで奇跡でも何でもなく確率の問題だ。ウソの報告も多い。騙されるな。それでも疑義があれば、判断を他人任せにせず自分の頭で考えろ」ということを読者に言いたいがために、作者はクドクドと述べたのだ、と私は解しました。 上下巻で正味828ページありますが、山本七平(イザヤ・ベンダサン)の名前が出てきたり、聖書のヨブ記に対する素朴な疑問と回答(手持ちの1950年代訳の聖書を何年ぶりかに開いてしまいました)、死後の世界、南京事件、日韓問題など、興味ある小物語も満載で、最後まで飽きませんでした。 映画「マトリックス」より明快だし、グレッグ・イーガンの諸作品より読者に優しいこの小説、私のお気に入りです。「☆=4.5」ですが四捨五入して☆5つ。
これまでレビューがなかったのが不思議なくらい.もっと話題になって良いのでは? ディデイルまでよく書き込まれた力作だと思う.類似のテーマ(ネタばらしになるといけないので,具体的には書きませんが)のSFはいくつかあるが,それらとは視点が異なるのが本書のユニークな点. 途中から突拍子もない展開になり,どのように終わらせるのか心配だったが,良い結末だと思う.インターネット,コンピュータ,人工知能に興味を持つ人にはお勧めの一作である.