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「みんなの意見」は案外正しい

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「みんなの意見」は案外正しいの商品レビュー

5.0 「みんなの意見」を活かす条件
本書の主張は一言で言うと:「集団は答えを知っている」(p11)である。

問題設定の側からみて、必ず明快な答えが存在する「認知の問題」だけでなく、他人の行動も加味する必要のある問題「調整の問題」や自己の利益だけ追求すると全体の利益を損なう恐れのある問題「協調の問題」のような複雑な問題についても、豊富な実例や実験を引用しながら「集団の知恵」について検討している。

その結果、すべての場合に無条件で、「集合知」の優位性が発揮される訳でなく、一定の要件を満たす必要があるという。
すなわち、意見の
1、 多様性
2、 独立性
3、 分散性
4、 集約性
という4つの要件を満たす集団は、正確な判断を下しやすい。(p28,p40)

さらに、先の四条件の加えて、
質問を提示する際、「一般的な利益に関わる意思決定を下す」ように要請すること。
つまり、あなたは個人がどうしたいかという私的利益についてではなく、公益につながるよい解決策を尋ねたときに良い答えが出てくるという。
こうした条件下で、集団の到達する結論が「一個人より常に知的に優れる」。(p14)
というのが本書の主な主張となっている。

過去の事例から「集合知」の有用性を単に再認識する意味合いだけでなく、その有用性を担保する四条件、特に「個々人の意見を集計して集団として一つの判断に集約するメカニズムの存在」=集約性を明示したところに、本書の意義があると思われた。
パーソナライゼーション、ページランク・アルゴリズムの恩恵を、無意識的にも日常的に享受できる現代的状況にあって、意見集約・決定メカニズムの今後の方向性やそのリテラシーを考え直す、良いきっかけを与えてくれたからだ。
5.0 日本人こそ読むべき本
会社のプロジェクトチームに入っていると、そこで話されている「常識」と、チームの外で聞く話とが大きくずれていて「あれ?」と思うことがあります。本書はそんな心理状態を見事に解説してくれる、とてもありがたい本です。重要なのは、「集団が賢い判断をするためには、個々人ができるだけ独自に考えて、行動すること」が不可欠なんですね。われわれ日本人が弱いところなのでは?テレビのニュース番組の解説に「そうよねぇ」とうなずいてしまう人こそ読むべき本です。
5.0 万人寄れば偉大な集合知
集団や群集が到達する結論は賢明な一人の個人よりも常に知的に優る。
制約がどんなに多くても一つ一つの不完全な判断が正しい方向へ積み重ねられると
集団として優れた知力が発揮される。

「ビンの中にビーンズが何個入っているか推定する」「迷路の交点で人々が
とった選択肢」などは一個人よりも群集の方が正確だった事を本書は
指摘しています。

例えば私がこのレビューを書く前に本書のレビュー数は33、投票は531
されていて賛成票は346ありました。賛成率はおよそ6割4分です。
つまりレビューの上手下手はあるにしても、これだけの数のレビューがあり、
個人個人の情報を全体的に組み込まれているので、本書の情報としては
信頼性が高いと言えます。
また単に投票せずに閲覧された方々はこの10倍以上はいる事でしょう。

書評家の書いた書評よりも映画評論家の書いた映画評論よりも音楽評論家の
書いた音楽評論よりも集団のレビューの方が信頼性があります。
何故ならば様々な情報が組み込まれて私的バイアス(偏見、先入観)
が極端に減少するためです。

「万人寄れば偉大な集合知」は「三人寄れば文殊の知恵」よりも
役立つ事でしょう。
2.0 結局、何が言いたいの?
「集団の知恵」ということばの意味をあまりに広く捉えすぎていて、結局、この著者が何を
伝えようとしているのか、が分からない、というのが読後感。

 意志決定においては、特定の専門家個人よりも、多様性、独立性、分散性、集約性を担保
された集団の意見の方がしばしばより正確なものである、ということなのか? 単に囚人の
ジレンマに陥る愚かさを説いているのか? ハイエクの「自生的秩序」の話がしたいのか? 
トップダウンのディスアドヴァンテージに比して、ボトムアップのアドヴァンテージを強調したいのか?
 例えば、情報カスケード状態と集団の知恵の差異についても筆者の議論からは極めて
主観的な印象を受けざるを得ない。極端に言えば、失敗すればそれはすべて前者で、成功を
収めればそれはすべて後者、とすら聞こえるほど。正直なところ、あまり説得的ではない。
 具体例の説明も非常に冗長で散漫。
 おそらく上手な書き手ならば、この本の厚みを4分の1にはできることだろう。逆に、同じ
厚みならば、より根拠に基づいた考察が付されるに違いない。

 そしてもうひとつ。
 ギュスターヴ・ル・ボンについても筆者にはひどい誤解があるようなので、コメントを
しておく。
 ル・ボンが「群集心理」の名のもとに語っているのは、スロウィッキーの言うところの
「暴徒」の話であって、集団の知恵の可能性を一概に否定するものではない。
4.0 「みんなの意見」が、どうも納得できない人に
当たり前のことと言う人もいて、
この本のいいところが伝わらないかもしれないのだが、
「みんなが正しい」ということが、
専門家一人の判断より
確実に正しい判断を引き出していることが科学的に証明されていたり、
みんなの意見が正しくなくなるメカニズムを解明していたりと、
私には非常に興味深いことばかりかかれていて感心しました。

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