滝本先生の目指している『超人』とは……
滝本先生の書いた文から判断するに、
街にでかけたり、女性と臆面なく会話できたりすれば、それでもう『超人』だそうです。ようするに、滝本先生がこの本一冊通して、ひたすらに、頑なに、最終目標として目指している『超人』とは、一般的にいえば、『ただの普通人』です。(普通の定義とは、とか、哲学的なことは抜き)
『自称ダメ人間』が、『普通の人間』になろうとして、もがき、足掻き、苦しみ、悩みながら、どうにか苦難を乗り越え……られそうで、あんまり出来ないような、そういう本。
エッセイ、という割には『エヴァ』の綾波レイが語り部として何十ページも進んでいたりして、どう考えても一般的なエッセイとは程遠い。
まあ、個人的には滝本先生の本の中で、一番好きな一冊だったりするんですけどね。
太宰治先生の『人間失格』21世紀版といったところでしょうか。
案外、太宰先生も、生まれた時代が時代なら、アニメオタクでひきこもりとかになってたのかも……。
超人計画
デビュー作・ネガティブハッピーチェーンソーエッヂ。
これは、二作目のNHKへようこそ!と比べると、かなり健全な内容だった。
そして、かなり熱い内容だった。そしてこの作品。
やはり、自分で自分のことを普通だと思ってる人は受け入れられないものだと思いますよ。
面白いけど痛すぎる
文章自体は面白いんですよ。自分のことを「ウスラハゲ」呼ばわり
する自虐的なギャグも笑えるんです。しかし、マイナス思考の道を突き進む筆者と、それを正そうとする
脳内彼女。
脳内、ということは全てが筆者の妄想です。つまりこの本は、鬱状態
の自分を甘んじて受け入れているにもかかわらず、気持ちのもう一方
ではその状態から抜け出そうという意識の矛盾にとらわれた筆者の姿を
あらわした書物と言えます。
はっきり言って滅茶苦茶痛いです。
ですので、一見さんは安易に手を出すべきでは無いと思います。
滝本がんばれ
「ダメ人間改造計画=『超人計画』とタイトルを決めた時点で、構想としては"超人になるぞ"と決意した僕が、バイトなどをして超人になろうとすると、そのたびにオチがつくという体験エッセーになるはずだったんです。・・・・・ 」これを読んで何でこの人がひきこもりになったかわかりました。『超人になろうとせずに、まず普通の人になろうとすればいいのに。』
この人の本は全部読んでますが、何か一気に飛び越えようとする気持ちが強すぎるんじゃないでしょうか。
ただ、そのへんの一気に何かを変えたいという気持ちが、怨念のような情熱になって、小説のクオリティを上げていると思います。
でも人生しんどいでしょうね、小説家としては良くても。