おすすめします!
個人的にはかなりお薦めです。落ち込んだときに読むのに最適。
おもいがけないところで笑わされるし。
また、町田康の価値観・世界観が強烈すぎて、自分の悩みなんてまだまだしょぼいな、と思えます。
読み終わる頃には、すっきりとさっきのうじうじがなくなっているのです。チャプター毎についている写真は、文章のノリとはまた違って、静かで素敵です。そのバランスも含めて、丸ごとお気に入りの1冊。
町田康の本領発揮
朝日新聞に連載されていたおバカなエッセイ集です。連載当時、毎回楽しみにしていたものです。とにかくこの人は、言葉のリズムというものを大事にしています。リズムを大事にするあまり、読者は文意を追っていくのが困難になるときもあります。そのため、この人の他の小説などでは、冗長に感じてしまったり、あまりに突飛な展開に戸惑ってしまうこともままあります。しかし、この本は一篇一篇がごくごく短く、内容もあってないようなものなので、さほど心配はいりません。純粋に町田康の世界を楽しむことができると言えるでしょう。
この人は写真も趣味らしく、この本では本人の撮影した写真が、ひとつのエッセイにつき一枚、必ずついてきます。写真と本文は一応全て関連性はありますが、その融合と言うか、「両者があって初めて作品たりえる」と言えるのは、それほど多くはありません。ただ、その試み自体は非常に面白いと思いますし、本文を読んだ後に写真を見て、なるほど、と感じたり、思わずニヤっとしてしまう、大変次元の高い作品もあります。連載当時は白黒で小さく、見にくかった写真が、フルカラーで大きくなっているのも素晴らしい。このエッセイは、単行本化してようやく真の舞台を得た、と言っても過言ではないでしょう。
町田康が好きな人なら安心して買えますし、町田康に触れたことのない人なら、入門?に最適な一冊です。この本を読んでみて、町田康の世界観と言葉遊びに興味が湧いたら、他のエッセイや小説にどんどん手を出してみてください。逆に、全然面白くなかったら、まあ町田康とは縁がなかったということで・・・。