続編としては良好
前作を愛していたファンには楽しめる作品。ただし、よくも悪くもそれだけの作品。なにしろ私は原著を読む知力を持ち合わせていないので、どうやら人物によって方言を使い分けるなどのテクニックが用いられているらしいが、訳書を読むだけでは文章のうまさ自体を楽しむことは不可能で、結局、物語を追うだけの読み方になってしまった。
個人的にはシック・ボーイやニッキーの独白は面白く感じられず、また、前作から好きだったベグビーやレントンの強烈な個性も感じられずに残念だった。
序盤に登場する「ラブ」がセカンド・プライズではないとわかるまで時間がかかり、両者が別人だと気づいた時には落胆した。特にセカンド・プライズが好きなキャラクターだったために。
レントンの最後の行動や、ラストシーンのホラー映画を彷彿とさせるシーンは良かったと思う。
九年後はまあそんなもんか。
「トレインスポッティング」から九年。
前作で金を持って逃げたマーク・レントンも年を取り
今作の主役であるシックボーイにアムスで見つかったのをきっかけに
エディンバラ・リースに戻って九年前の連中とまたつるみだして・・・なんていう風に始まる、かの有名な前作の続編。
正直な話、前作の主人公、レントンのその後が気になっただけで
本書を読み始めただけだがやっぱり作者のウェルシュと
この連中の相性はいいみたいでページをめくる手が止まらず
夜通しぶっ続けで読んでしまった。
ただ、おもしろいんだが、やはり前作のファンとしては
レントンがそうやすやすとリースに戻っていってしまうのが
納得いかなかった。
前作を読んでない人はそこにはこだわりもなく
さっと入っていけると思う。
そりゃ前作を読んでない人が今作を手に取るとは思えないけれど。
映画化が進んでいるというが映画化されるなら
何はともあれべグビー役のロバート・カーライルだけは
前作と同じく出演してもらいたいもんだ。
音楽を聴くように読める
アーバインウェルシュの独特な作風ではないでしょうか。エロイ、グロイのに、さらっと読めますが凄い作家だと思います。
単にサブカルチャーをリアルに表現しているだけではなく、
存在しないはずの登場人物が、緻密な描写により
、強烈な個性とともに命を与えられていること。
つじつまを後から合わせたのではなく、精密な設計図をもとに
構築されたストーリーに集中力をわしづかみにされます。
今回も、シックボーイ、スパッド、レントン、ベグビー、ダイアン
という顔なじみから、ニッキーという魅力的な女性が加わり、
期待を裏切らない内容になっていると思います。
映画Trainspottingを幸いにもイギリスでリアルタイムに
見たときは、痛快としかいいようがなかった。
(イギリスの田舎でナイトシネマを見ると、オーディエンスから
掛け声やら野次やら、最後は大拍手です。)
映画の続編が待ちきれない人には是非、まずこれを読んで
つないでおくことをお勧めします。
この続編が本当に映画化され、あの例のキャスティングで
スクリーンに登場するのを心待ちにしています。