ユダヤ民族の本質に迫る良書
筆者はエピローグで『ユダヤ民族は今後もかつての「祖国なき民」のイメージ通り、悲劇の主人公として生き続けるのか、それとも新しい国家の誕生を機に新しいユダヤ人像を生み出してゆくのか』と、期待と不安を込めて言及しているが、決して彼らの安息の日々は未だにやって来ていない。パレスチナとの諸問題を包括的に解決するため、イスラエルの入植地撤退が一応の完了をしたが、未だ双方の人々の内にはフラストレーションが鬱積されている。約束の地・カナンのユダヤ人は何時安息の日々を手に入れられるのか。 本書はユダヤ民族の歩んで来た、古代からの歴史を体系的に読み解く。通読すれば、先述した時事的なユダヤ問題等を読み解くことが可能な必読の一著だ。ユダヤ民族が優秀な人材を輩出し続ける所以や蔑視の対象にされる理由が、多角的に分析されている点も必読たる訳の一つである。30刷以上も発行されるのが十二分に頷ける良書だ。
教養としての「ユダヤ人」を知る必須アイテム
イスラエルへの留学経験のある著者の経験を踏まえて日本人なら誰しも素朴に抱く「ユダヤ人って何者?」という疑問に易しく答えてくれます。欧米社会がイスラエル問題に常にイスラエル側に対して弱腰なのはなぜ?。金融業界にユダヤ系巨大資本が存在するのはどうして?。そんな疑問を持った事のある方にはお薦めです。意外な人がユダヤ系と呼ばれる人だったと驚きました。また彼らがどのような紆余曲折を経て発見・発明・思想の確立をするにいたるのかを知る今までとは違った角度からアプローチするヒントを提供してくれるでしょう。この本を読んだ後「ユダヤ人」なんて自分にはまったく関係ないって考え方が少し変わるかも。