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ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書)

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ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書)の商品レビュー

5.0 本書の普遍性とは?
「動物化するポストモダン」に続いて本書を読んだ。感想は三点である。


 一点目。僕自身はオタク文化やゲームとは比較的無縁である。本書で扱う「素材」への知識がない。それでも 東の「巧みな話術」で 面白く読めた。
 本書は基本的には「日本文学論」であると読んだが 東が案内してくれる「ゲーム」の世界の文学像には いささか息を飲むようなものがあった。現在の「日本文学」がたどり着いている一つの地点を示す「地図」としての 本書は 誠に才気に溢れている。



 二点目。本書は「文学論」であるが 「社会論」になっているかどうかが常に気になった。結論としては 限りなく「社会論」には近いが 最終的にはそうしていない。もっというと「オタク文化」を生み出した「日本社会論」にすることを厳密に避けていると読んだ。



 三点目。東が本書で描き出す日本文学と その日本文学を生み出している日本の現在の状況が 世界の中で どれだけの普遍性を持っているのかという点には現状疑問が有る。言葉は悪いかもしれないが ある種の「閉塞性」を読んでいて感じるからだ。
 本書の才気はすさまじい。しかし 現在の世界の大半の人にとって 本書は衝撃を与えることが出来る本なのだろうか?

 勿論 それは本書を貶めるものでもなんでもない。今の日本の一つの文化のあり方の特異性を示しているだけのことで それ以上でもそれ以下でもない。
但し そこで考えるとしたら そういう特異な文化を日本が保有したという点であり それを世界という水平線上で位置づけることが 本書の普遍性への道筋なのだと思う。
東は 本書が普遍性を獲得するとは思っているかどうかは不明だ。そう思っていてほしいし そう思っているはずだ。行間に漂う自信を感じるのは僕だけではないと思う。
1.0 これは商業出版していいレベルなの?
作品論のページが特に酷く、東氏の自己満足以外の何物でもない。真面目に読むのが馬鹿らしい。金の無駄だった。
5.0 東さんが何を思って書いたのか
純文学もライトノベルもあまり興味は無いんですが、動物化するポストモダンが面白かったので買ってみました。なので、ここに書かれている批評法が正しい方法かは実感的にはわかりませんでした。
しかし東さんの問題意識のような物が何となく分かった気がして、その部分に惹かれました。
「本書の目的は、(・・・)ハイカルチャーだサブカルチャーだ、学問だオタクだ、大人向けだ子供向けだ、芸術だエンターテインメントだといった区別なしに、自由に分析し、自由に批評することにある」(248P)
と東さんは言います。ということは、カテゴライズされたあるジャンルを「自由に批評」できない空気があるのでしょう。
例えばケータイ小説という物がありますが、ちょっと探せば「あんな物は小説ではない」という(広い意味での)批評家はすぐに見つかります。恐らくラノベもエロゲーも同じような言われ方をするのでしょう。
しかし感動して涙する人がいるのも事実なわけで、その感動や感嘆の仕組みを読み解けない批評なんて批評(笑)なんじゃ無いの、ということです。

これからも色々なカテゴライズをされるメディアは出てくるでしょうが、その度にこのような本が出て、再包摂への試みが行われれば良いなぁと思います。
4.0 ラノベや美少女ゲームの構造を読み解く
「大きな物語の喪失」「データベース消費」「動物化」などのキーワードでオタク文化を語った著者の前著がなかなか興味深かったため、本書を手にとりました。

ライトノベルは、従来の小説が立脚している自然主義的なリアリズムではなく、「まんが・アニメ的なリアリズム」をベースに成り立っているという論議は興味深いものです。キャラクターの「属性」だけが一人歩きして、世界観や(自然主義的な)リアリティとは関係なく存在している、という議論は、ひとつの作品が、その当初の設定や世界観を超えて、多種多様なコンテンツへと展開されている現状をうまく説明できていると思います。

こうした、共有化された「お約束」に基づく作品群が、日本のオタクの世界だけでなく、オタク以外の人に、また、歴史や文化を共有しない外国人にどのように理解されうるのか、という点は非常に興味があります。「まんが・アニメ的なリアリズム」の共有が作品理解の前提なら、大きな広がりを見せないはずですし、そうでない何かがあるのなら、オタク文化が更なる発展を向かえる可能性もあるでしょう。

なお、後半の作品紹介についてですが、やはり、自分で体験しなければ実感を持って感じることのできない種類の議論だと思いますので、「ネタバレ」を大々的に展開しながら語るのはどうかという気がします。(ネット上で、既読後、プレー終了後の方を前提に語るならまだしもですが)

いずれにしても、議論としてはなかなか面白いものです。ただ、作品紹介の事例を通じて議論を一般化しようというのはちょっと深読みがすぎる感じもします。好き好きが分かれるところでしょう。

全体的には、前著の枠組みを発展させた議論でなかなか興味深く読めました。まぁ、こんなことを考えながらラノベやゲームをする人は少数派でしょうから、あまり大上段に語るのもどうかとは思いますが。
4.0 楽しかった
 オタク文化のお約束の流れについての簡単な仕組みや批評、消費者の欲求について述べてある本。正直全てを理解出来たわけではないが、漠然と自分が何を求めているのかは実感出来ました。

 仕組みを少なからず理解し、それが陳腐化しても好きってあたりが、やっぱオタク文化が好きなんですね。製作側ではなく共有側、同人側として今後も付き合ってゆけるのが私とってのオタク文化のようです。

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