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生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

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生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)の商品レビュー

4.0 流れの中に・・・
流れの中に・・・

作者は分子生物学の先生。

近寄りがたい無機質な印象を持たれがちな遺伝子の研究。

そういったある種堅苦しい話を
自分がアメリカの大学で研究していたときのエピソード、
遺伝子研究を形作っていった偉人たちの逸話などを介して
人間味を持たせて解説してくれますので非常に読みやすい。

研究者たちの功名心渦巻く遺伝子発見の物語は
是非とも映画にしてほしいくらい面白いです。

何より本書の素晴らしいところは
生命の中にある微小な微小な世界をつぶさに観察し
その内に秘められた物語を美しく紡ぎだす作者の手腕。

読みだしたら止まらないですよ。

読んでからの一言
おそらくそこには何らかの愛があるんでしょう。
5.0 分子的な考えで人生の刹那を語る
分子で人生の刹那を語る。

生物とは“自己複製できるもの”という定義される。

本書のキーワードである動的平衡状態にて分子レベルにおいて
私たちの身体は3ケ月前の身体とは違うものである。
それも分子が壊されながら存続のために変化しているのだ。
人間の生命における分子レベルとは機械とは違う。
それが命というものなのか。
ノックアウトマウスの例によると
私たちの生命の細胞は不足したものを
時間という流れの中でお互いに話し合い助け合っていて補っている。
自己複製できるもはすべて分子レベルで新たに置き換わる。

なぜなら秩序は守られるために絶え間なく壊されなければならない。

エピローグのくだりの中に 

“生命という名の動的平衡はいずれに瞬間でも
危ういまでのバランスをとりつつ、
同時に時間軸の上を一方向にたどりながら
折りたたまれているそれが動的謂いである。
それは決して逆戻りできない営みであり、
同時に、どの瞬間でもすでに完成された仕組みなのである”とある。
翻っていうと仏教で言う刹那にて生きよ。
道元が言う前後裁断と同じことであり、鴨長明の方丈記と同じである。

分子生物学者が刹那を語るとこうゆう本になる。
いい本には間違いない!

4.0 エッセイです。まとまりを期待しないように。
一見して、雑誌かなにかに連載されたエッセイをまとめたものだとわかる内容。
連載時は、これが科学者のエッセイだとわかるから、この題名でもいいのだろうが、1冊の本にこの題名がついていたら、もっとまとまりのある内容を期待してしまう。かといって、こういう題名ならぴったりで、なおかつ、インパクトも強いのにという題名も思いつかないから、良い題名をつけるのが難しくて、連載時の題名がそのままになってしまった経緯もわかるが。

エッセイだからどこから読んでもよいようなものだが、同じテーマを追っていて、連続性が見られるところも多いので、やはり始めから順に読むのがお勧め。
連続性のある大きなテーマは、  DNAの発見、 動的平衡、 GP2タンパク質
  
DNAの発見では、DNAの謎に挑んだ科学者たちの人間群像が主題。華々しい成功の影で忘れられてしまった人たちにも光が当てられていて、著者の人間観がわかる。

動的平衡では、難しい概念がジグソーパズルの比喩などを用いて平易に語られていて、著者の説明のうまさが際立つ。

最後のGP2タンパクでは、著者の研究がベースになっているので、一番リアリティにあふれている。

どこもそれなりに面白かったけれど、動的平衡のところが一番お勧め。

2.0 書名でうれた?ごく普通の分子生物学/細胞生物学のエッセイ本
「生物とは何か」その定義、意味合いを知りたくて読み始めたのですが、書かれていることはありきたりのDNA2重螺旋構造発見談と自分の研究の追想でしかありませんでした。この本の中に生命のなんたるかはなにも書かれていません。いわゆる題名にだまされたってやつです。この程度のほんならブルーバックスでなん10年も前から何冊も発刊されています。内容は40−50年前の知識であり、新しさもありません。この本がなぜベストセラーなのかさっぱりわかりません。サイエンスを少しがじったことのある人であれば誰でも知っている、経験している内容です。また何の生物学的知識のない人がこの本を読んで理解できるのか面白いか疑問です。
3.0 生物学について無知ならそこそこ楽しめる?
タイトルから生物と無生物の境界を探る試みとか、現在でも意見が分かれる「ウィルスは生物なのか否か」という命題
について著者の考察を期待してたのですが、結局そのことには触れずじまいでした。
帯にだらだらと列挙されている各界著名人が文章の美しさを褒めたたえてますが、別にそれほどでもないです。
むしろメタファーのセンスはクサいです。

私自身は文系学生だったので、生物に関してはせいぜいセンター試験レベルの知識しかありません。
なので教科書には載っていなかった偉大な生物学者達の研究秘話の部分は楽しく読めましたし、生命の定義についての著者の意見は
(生物学界では周知のことだそうですが、)個人的には初耳で成る程ということも多く、けして無駄な読書体験ではありませんでした。

しかしどうでもいい著者の思い出話には辟易しました。それらのエピソードが内容理解の水先案内として必要不可欠というわけでもないし…

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