詩のような文です
この方の文章はとても専門的で難しいと感じることもありますが、
この本は最初の数行を読んだだけでトリップできます。
題名を聞いただけでまだ聞いたことのないホーミーの音色が
聞こえてくるようです。
「中沢新一さんは素敵だけど文章の意味がわからないわ」
といって敬遠されている人も一度手にとってみてください。詩のようにお経のようにあるいは美しい音楽のように
心に直接しみいってくる かもしれません。
野ウサギの走り 虹の理論 もおすすめです。
中沢新一代表作の一冊!!
80年代初頭の『現代思想』誌には二人の若い学者が
競い合うようによく投稿し、いずれも視線が新鮮で、読者
に非常に人気があったために、よく掲載されていた。
その一人が当時東京外語大の山口昌男の下で助手を務めて
いた中沢新一であり、もう一人は京大の佐和隆光の下で
助手を務めていた浅田彰であった。それまでにも翻訳本を発表していた中沢だったが、彼独自
の論文集はこの本がはじめてだったので、実質的には
彼の処女作である。
前書きを数行だけでも一読すれば気がつくことだが、
その文体はとてもおしゃれで美文である。
誰もが簡単にまねできるような代物ではない。
この処女本ではチベット仏教や文化人類学などを中心に
独特な美文と独特な言い回しで論理を展開しているが、
その後の著作と比較するならば、まだまだ思考が若々し
くて未熟な部分も多々見受けられるが、十分秀才の域に
は達しているレベルである。
今もなお人気の高い中沢新一の思考と文体を知る上では
格好の入門書であることに変わりはない名著である。