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宿命 (講談社文庫)

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宿命 (講談社文庫)の商品レビュー

3.0 小ぶりな白夜行!?
本作は、有力企業UR電産の社長殺害事件の真相究明と、
それを追う和倉勇作刑事、被疑者の一人となった前社長の息子瓜生晃彦、
そしてふとしたきっかけで人生が好転したことに疑問を抱きながらも、
晃彦の妻となった美佐子という三人の「宿命」の謎に迫るという、
多面的な推理小説です。

本作で印象的なのは、序章の薄幸の女性サナエと幼い勇作との交流の場面です。
結末において、この場面の持つ切ない意味合いが浮かび上がります。
また、企業倫理についての鋭い問題提起も込められています。
ただ、個人的には、きちっと収束はするものの、
あまりによく出来すぎた「宿命」的関係性に違和感を覚えたのと、
結局罪を免れたことになっているあの人が、
現行法上共犯に該当するように思えてならないのが気になりました。
5.0 ぞくぞくする!
先が読めないところが、いままで読んでいた小説とは全く違って、ぞくぞくしました!
しばらく心に残りました。
久しぶりに、面白い本を見つけ、今は東野圭吾を順に読み漁っています。
今のこころ、宿命がNO1です♪
5.0 最後まで目が離せない
晃彦が事件に絡んでいることは最初から分かっていたことだが、いかにして晃彦が事件に絡んでいたのかは最後まで読まないと分からず、手に汗握る展開だった。また、最後の10ページにある真相は想像もつかない内容だったのでとても驚いた。美佐子とその父親の過去、勇作と美佐子の過去、そして晃彦の父親の過去、全てが1本の糸で繋がっており読み応え抜群だった。

4.0 宿命
タイトルにひかれて本を購入しました。しかし、想像していた以上におもしろく大満足の本でした。東野圭吾さんのすごさは推理小説家と言うよりも、心理のおもしろさにあるのではないでしょうか?人間の心の内を表現するのがとても上手な作家だと思います。『白夜行』『秘密』等に負けない独特のおもしろさを感じました。ラスト云々よりも全体的に色々な心理を感じさせてくれる本です。
5.0 タイトル「宿命」に込められた究極の意外性―絡まった「糸」は解きほぐされるか?
 東野圭吾の作品は、講談社文庫として全部で25作品刊行されているが、それらのなかで最も読まれているのがこの『宿命』だろう。「宿命」とは、「前世から定まっており、人間の力では避けることも変えることもできない運命」だ。本書のストーリーもまさにこの言葉に完全に合致する内容である。「序章」と「終章」を除く全6章の意味深な言葉に盛り込まれた作者の意図を味わいながら、本書を読み進めるのがよいだろう。

 本書においても殺人事件は生じるが、その事件の解明に関する詳細は、多くの読者にとって「二の次」だったのではないか。巻末の「解説」にある作者自身の見解が示しているように、本書の主眼はそこにはない。主人公を含む二人の男に課された「宿命」の意味とは何であるのかということに、われわれは必然的に集中する。その当時に作者が関心のあった「脳」という題材や社会派的な要素も随所に登場し、初期作品としてもかなりの自信作であったに違いない。「終章」は、繰り返し読み返したくなる名シーンだ。そこで明らかになる衝撃的いや「究極の意外性」に、一瞬ではあるが、時間が止まったような感覚を抱く。それゆえ、ラストを先に読んでは絶対にいけない。きちんとそれまでの歴史的経緯を知ったうえでのラストなのだから。

 主人公(の二人)は、医学部進学を断念し父親と同じ警察官の道を進んだ和倉勇作と大企業の御曹司で、勇作が諦めた医学部に進学した瓜生晃彦である。同じ高校にいた彼らだが、ここから先の進路は決定的に違った。とはいえ、先の「宿命」という言葉にあるように、「糸」はずっとそれ以前から、つまり彼らが生まれる前から絡まっていた。晃彦の父親が他界する時に、彼が残した最期の「晃彦、申し訳ない、よろしく頼む」という言葉の真の意味とは何かを念頭に置き、作者の世界に足を踏み入れよう。読了後、不意に考えるかもしれない。自分にも「宿命」があるのか、と。

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