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時計館の殺人 (講談社文庫)

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時計館の殺人 (講談社文庫)の商品レビュー

5.0 時間という謎
題名からして「時計館の殺人」なので時間に関する謎だとは思いましたが、

全体を構成している謎は最後まで解けませんでした。

特に、なぜ殺人に時計が使われたかという説明は秀逸だと思います。

非常に重量感があり、作者の自信がみなぎっているように感じました。
5.0 館シリーズの至高!
館シリーズの代表作にして、推協賞受賞作。綾辻行人最高傑作と誉れ高い本作だが、これには些かの異論もないところだ。
時という牢獄に囲われた館と、やはり時に憑かれたその住人達。これは何から何までが「時間」に纏わる物語だ。
時計メーカー会長が中村青司に設計させた、時計だらけの怪屋敷。その薄幸な一人娘の自殺を発端とした悲劇と憎悪の連鎖が、館を探訪した学生達と雑誌取材班に襲いかかる!
全体に漂う妖しくも儚い靄は、ミステリというよりはノスタルジックホラーといった体である。まさに、綾辻行人の幻想趣味の本領発揮だ。
分量もさることながら、登場人物が他の館シリーズに比較して格段に多いのも圧巻。従って、非業の美少女に狂気の美少年、霊能者と、その相変わらずの奇矯なキャラクター設定もバラエティーに富んでいる。
加えて、説得力あるトリックや伏線の精妙な構築が、類稀なまでにドラマティックな世界の造形に寄与している。鹿谷門実が車中で福西涼太にする時間に関する講釈をみても、それは顕著だ。
ラストのパニックムービー的な演出はやり過ぎ感がするし、一旦は誤った推理をした鹿谷に、タイミングよく助け船が出て軌道修正するといったご都合主義には疑問も残る。元々、溢れんばかりの着想や仕掛けをふんだんに盛り込んだ大盤振る舞いなのだから、それはしかし、許容範囲だろう。
ただ「驚愕」、ただ「意外」という普遍のミステリとは一線を画した、ビッグスケールで送るエンターテイメント。綾辻行人と中村青司が開拓した、恐怖という名の新境地といえよう。
5.0 素晴らしい!!まんまと罠にはまりました
確かに最高峰とも言える作品!!ものすごく圧巻で完成度が高いです!!この人が犯人だと思ったものがまたしても罠にはまりました。全く持ってこのトリックは思いつかなかったです。厚みは従来よりもありますがそれすら感じないくらいスラスラ読めます。他の方がおっしゃっていたように閉鎖空間・時計と言う要素を見事に生かして伏線を張り巡らしています。本当にタイトル通りにまさに「時計館」です。このタイトルがいかに重要そのものかを表しています。クライマックスも美しく、映像的です。非常に傑作ですね。これからお読みになる方には少々ネタばれになるかもしれませんが「時計館」の「時計」自体と「館」自体に注意してお読み下さいませ。読者の心情をこれでもかとすくい取り、罠にはめられます。(もちろん良い意味で)。ミステリー好きならぜひ十角館と迷路館と共に読んでおきたい小説ですね。(※ただし時計館を読む前に迷路館を読んでいることが大前提です!!時計館の後に迷路館を読むと迷路館のある部分がわかってしまい、面白さが半減してしまいますのでご注意下さいませ。)
4.0 館と美少年と薄倖の少女と 
犯人は、最初から、怪しすぎます(笑)。

でも、トリックはやっぱりわからなかった。
なるほどな〜ってかんじ。

たくさんの時計に囲まれた館で生きていた薄倖の少女と美少年。
そんな館で、少女の死後10年以上たってから連続殺人がおこなわれる・・・。
映像化されると、面白いのではと思います。安っぽい、ホラーみたいになるような気もしますが。

確かに動機は弱いけど、そんなことは気にせずに謎解きを楽しむ作品です!
作者が、現妻である小野ふゆみに「心配かけました。やっとできたよん。」っていってるのもなんか微笑ましい。

5.0 終局に向け、針のない時計は時を刻む
タイトル通り、本作では「時計」すなわち「時間」というものが主題となっています。

それをミステリ用語に換言すれば、アリバイトリックということとなり、そこだけを
取りあげ、本作はインパクトに欠けると評価する方も中にはいるかもしれません。

しかし、本作の達成は、単に新しいトリックを案出したということにとどまりません。
トリックと作品全体のテーマを不可分に結びつけ、照応させる構造を創り出した
ことにこそあるというべきでしょう。

よって本作では、奇怪な館を建てさせた亡き館主の妄執や、それに起因する
館の存在理由にすべてが収束していく構成が採られており、凄惨な連続殺人も、
そのことを引き立てる前座に過ぎないと言っても過言ではないものとなっています。

それを指して本作の瑕とするかどうかは、各人の感性次第でしょうが、
人工的な作品空間のなかで抽象的な論理を展開することを通じて、
逆説的に人間という存在を描くことがミステリの本分であるなら、
必然性のある要請と私は考えます。



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