がっかり
「なみだ蟹…」、「サイレントラブ」、「夢食い魚…」など、作者の描く女性像が好きです。私は関東圏でずっと暮らしているので、関西は異文化。作中に見られる関西らしさ、神戸らしさに憧憬を持ちつつ、時に涙を流しながらも決して日和らず、くじけず、貪欲に幸せを追求する背筋を伸ばした女性像を感じていました。「水晶婚」の登場人物の女性たちも、ある意味、強い。
だけど、そこに、これまでの作品に感じられた潔さが見えませんでした。これが、作者にとって、読み手に同時代性を感じさせる「等身大」の作品なのでしょうか。
嫉妬も復讐も裏切りも、ネガティブな心情をもっと別の方法で書ける人だと思っていました。玉岡さんなら、もっと別の書き方が出来たのではないでしょうか。
これが作者の書きたいことなら、林真理子や唯川恵で十分に間に合っています。(私は好みませんが。)
読んでいる途中から、そう思って哀しくて、読後感は寂しいものでしかありませんでした。
ハッとしました
本の主人公たちの年齢に近づきつつあるわたし、どのお話を読んでもハッとしました。心の中にはまだ確かにある想い。
でも日々の生活にどんどん埋もれて流されて、何も面白い事もないし変わった事もないしなんとなく息が詰まるような、でもこれが平和って言うんだ、っていうような毎日。そんななかで何かを見つけられるかどうかは結局自分次第なんでしょうね。
どのお話にも主人公のやるせなさ、やり場のない、人から見ればたいした事のないような不満や、たよりなさ所在無さが詰まっていて切々と胸に突き刺さるようでした。
ある種ミステリーとも取れるような面白い仕立ての物語あり、映画のような物語あり、やっぱり玉岡さんの物語は面白いです!
中でも特に「物語をもう一度」が一番すきです。この本もおすすめです!