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少なくとも、伊集院大介シリーズの中の一冊でなかったらこの一冊は愛すべき一冊になったかも知れない。名優と名バイプレーヤーを揃えれば良い芝居になる訳ではない、と言う現実を見せ付けている好例。
ラスト1ページでそれまで感じていた違和感が噴出。一気呵成に主人公が大ッ嫌いになってしまいました。やっぱ殺人事件が起こっているのに、みんなが後始末にかかろうとしたら「じゃボクはおうちに帰ってオンガクするね~」つったのはどうよ?人ひとり死んどるっちゅーねん!(相当はしょってますスミマセン)主人公が天才ですごくてエラくてご立派で藝術の神に偏愛されているという設定じたいは問題ないんですけど、いくら何でもここまでエゴイストだと魅力を感じなくなっちまって。栗本作品には珍しく読むのが辛かった。同じエゴイストでも「アンティック・ドールは歌わない―カルメン登場 」のヒロインには強烈な魅力を感じたし励起されるものがあったのに。しみじみと嫌いだわ~。読んだ私が小市民だっつーことの証明でもあるのでしょうが、こんなイヤなやつのオンガクなんか聞きたくないし、きっと聞いても「・・・で?」と思ってしまうに違いないと確信・・・そんな決心したくないのに!なんか、今回は伊集院先生とからむってことで相当に期待していたので落胆も大きかったです。読み返す気にならず古本屋に(以下自粛)。栗本さんの作品で「真夜中のユニコーン」もちょっとこの作品みたいなニオイを感じはっきりと「嫌い」な小説なんですけど。
伊集院シリーズの伊集院大介先生とキャバレーの矢代俊一氏の共演です。こういう共演が出来るのも栗本さんならでは。ジャズがこの本の柱になっていますので、ジャズファンならかなり楽しめるはず。ジャズファンでなくても、伊集院大介ファンならさらに楽しめる一冊です。謎解きとして読むのではなく、このまたとない共演を堪能して下さい。