ちょっと残念です
他の方の評価が高いので「?」の気分です。
伊集院さんファンとしては、短編の名手ならではの爽やかでちょっとせつなくなる読後感を期待して読み始めましたが、残念ながらこの本は期待はずれでした。とくに一編目は主人公と愛犬の交流を扱ったものですが、あの年代の子は決してあんな考え方をしないと思われ、違和感が絶えずありましたし、愛犬家にありがちな独善的な視点が気になりました。
伊集院さんはご本人の年代前後を主人公にしたもののほうが良い気がします。
表紙のイラストのせいでセット本のように見える「ぼくのボールが君に届けば」の方がお勧めです。
駅までの道をおしえて
本の表紙の絵にひかれて読み始めました。
短編集です。一つ目のお話が、本のタイトルにもなっている「駅までの道をおしえて」です。通勤途中の電車の中で何気なく読み始めたのですが、途中で「やばい」と思いました。
きっと誰もが体験したことのある、大切な人を失くしたあの気持ち。
嘘だよね?ほんとはまだそこにいるんでしょう?私をおいて、いなくなったりなんか、しないよね?
何度も何度もそう繰り返す、あの気持ち。祈りにも似たそんな気持ちが、思いが、切なさが、とても伝わってきて、涙をこらえることができませんでした。
でも、悲しいだけのお話ではありません。最後にこぼれるのは、涙だけではなく笑顔、です。涙をいっぱいためた目で、でも前を向いて歩いていくことができる、そんな強さを、そんな想いを感じられる、素敵なお話でした。
うまくいえませんが「思い」というよりは「想い」、「悲しい」のではなくて「哀しい」、そういう気持ちが伝わる本でした。
そして読んでいる途中で、何度も表紙の絵を見直すこと請け合いです。(ちなみに、裏表紙も必見なのです。ここでお見せできないのが残念です。)