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50万円の「豪華版」写真集も出ますが、内容は収録されている写真は一緒で、価格の差は写真の大きさと付録がないこと、だそうです。50万円と比較すれば「廉価版」ということになるかもしれませんが、4万円近い写真集というのはかなり豪華です。この重さでは書店の店頭で買って帰るのは、華奢な女性には無理かと思います。 内容は、本編は37年間に亘って撮影された舞台写真ないし舞台の衣裳を付けたスタジオ撮影写真によっています。舞台写真は写真家の注文でポーズを取る訳ではないので、必然的に舞台撮影とスタジオ撮影では趣旨が違ってきます。舞台での一瞬を捉えた緊張感、スタジオで写真家との共同作業で造り込んだ美、それぞれに違った美しさがあります。 個人的には若い頃の写真(守田勘弥から怒られたという写真も含め)に、たとえ時分の花と言う人がいたとしても、私は比類ない美しさを感じました。また仮名手本忠臣蔵のお軽の、世代毎の写真を並べたものも興味深いものです。 実際に見た舞台の写真は、見ればその舞台を思い出すのですが、さすがに篠山紀信の眼で見た玉三郎の舞台は、他のピンナップ的な舞台写真とは別の次元を感じます。どういう舞台であったかという紹介ではなく、「その瞬間に玉三郎が何を訴え、写真家として何を汲み取り、見る人に何を伝えたいか」、そうした問題意識を常に感じます。従って舞台の全貌は敢えて捉えず、その代わり玉三郎の表情や仕草から発せられるオーラが、あたかも写真から溢れ出るようです。 質・量ともに玉三郎ファン必携の写真集だと思います。