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オオカミの生態とか考えた事もなかった私ですが、読み始めたら止まりませんでした。基本的に、モンゴルの遊牧民の日常がずっと続く話なのに、何故これほど面白いの!?日常といっても、漢人の進入によって徐々に草原の自然にも陰りがみえてくるのですが…。それが真に迫って何と悲しいことか。ラスト近くなると、作者がどんな気持ちで書いているか本当に伝わってくる…これほど感動した作品は今までないです。オオカミ、自然問題、遊牧民など、ひとつでも興味があるならぜひ読んでみてください!損はしません!
上巻の後半で新たな生産農場用地が発見され、そこに遊牧の仕組みを知らない漢民族の人たちが押しかけて何か不穏なことが起こりそうな予兆を垣間見せていたが、下巻ではいよいよ生態系の破滅、自然破壊が進行する。読んでいて切なくなる展開だ。 ある意味、環境問題のすぐれた啓発書のようにも感じた。自分にとっては、北極の氷が融けるとか珊瑚礁の島が海面下に沈むという主張よりも説得力がある。 大変すばらしい読み物だが、エピローグに136ページもいらない。北京に戻った陳陣と楊克(ヤンカー)が20年ぶりにオロンを訪ね、少狼(二人が育てた狼)をさらったときの巣穴を訪ねたところで終わっても十分感動できる。陳陣(チェンジェン)の長ぜりふは余計なことだ。 参考までに、本書の中で唯一姿を想像できなかった「タルバガン」は「モンゴルマーモット」の名で上野動物園関連サイにで写真が公開されていた。鳥でないことだけは確かだ。