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太宰と井伏――ふたつの戦後の商品レビュー 太宰、三島に憧れつつも、井伏の様に生きよ!
太宰と三島。出口裕弘の言う、両者は「真反対のように見えて実は酷似した自己破壊者」、著者の言う「ほぼ同型の精神として、同様の立ち位置に置かれた、戦後の二人の文学者」という見立てに同感する。では、二人の共通点とは何か? 師弟の確執を新しい視点で浮き彫りに
太宰が入水した後、太宰の部屋の紙屑篭から「みんな、いやしい欲張りばかりです。井伏さんは悪人です」と書いた「遺書の下書き」が見つかった。1998年太宰治没後50年、遺書の一部が「遺族の意向により一部非公開」とされたのは、このところではないかと著者は推測している。 批評しながらリスペクトすること
加藤さんご自身があとがきで書いているように、「筆者としては、はじめての、薄い、文芸評論の本」である。都心の書店で買い、家に帰る電車の中でほぼ読了した。内容は薄くない。太宰と井伏、そして三島について、読者はより深い理解となにより親愛の情を持つに至るだろう。この本の特質についてもし医療に例えることを許されるならば、こう申し上げたい。病気だけを観察する医師と、病人を全体的に診る医師とが存在すると仮定する。どちらが偉いと言いたいわけではない。後者のような医師と、加藤さんとはものの見方に似通うものを感じる。医師としては誤診が少ないことを目標とし、評論家としては「(作家の)人としての名誉を少しでも高める」ことを自らのよろこびとする。私はそのような態度を見て、ああ大人とはこういうものだと安堵するのである。 本の最新売り上げランキング - トップ10
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