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風の万里 黎明の空〈上〉十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート

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風の万里 黎明の空〈上〉十二国記 講談社X文庫―ホワイトハートの商品レビュー

5.0 おすすめです
シリーズ4作目にして1作目で陽子が玉座に着いたその後の物語。

慶国玉座につきながらも、「こちら」の世界がわからない陽子。
何を聞かれても、何が最善かがわからず、回りからはため息をつかれ
自信もなく、苦悩する。

崖から足を踏み外し、虚海に落ち「こちら」の世界の才国にきてしまった鈴。
言葉も通じない、もとの世界にももどれない、自分以上に不幸な子はいない、
誰も私をわかってくれない。と、
周りのことを、みようともしない。

芳国国王の娘に生まれた祥瓊。
王と王后に溺愛され後宮奥深くに隠され、幸せにくるまれて世間もそのようだと思っていた。
目の前で両親を殺され、身分を剥奪されるまで国王が何をしていたのか、国の中がどのようなものだったのかがわからなかった。
わかってからも、自分は何も悪くない。と、すべて何事も人のせいにしつづける。

同じ年頃の少女たちの物語が交差して進んでいく。
350ページ近くもある上巻の中で
少しずつ変化を見せる鈴と祥瓊。
この2人が陽子とどう繋がるのか。
3人の物語は繋がりそうでまだ繋がらない。

分厚さも気にならないくらい面白い。
かえって、その厚さがうれしいくらい面白い。


4.0 十二国記シリーズは、ヒトとして大事なものを教えてくれる気がする
な、ながっ!。上下巻合わせて700ページはゆうにあるから(笑)
今回は、陽子の統べる慶国がまだまだ「カタチ」にさえなっていない時期の話です。
主人公は、陽子を含めた3人の少女。

鈴-----蓬莱にて、家が貧しく親に売られた娘。
売られる屋敷に行く途中、突然の嵐で虚海に落ち「あちら側」へ行く。
翠微洞の梨耀に拾われ、下僕となる。

祥瓊----十二国のひとつ芳国、峯王・仲韃の娘で公主。
過酷なる法によって民を苦しめ、天命を失くした峯王・仲韃を目の前で月渓に殺される。
祥瓊は殺されずにすむが、芳国民の元へ素性を隠し、おろされる。

陽子----天命を受け、慶国の女王となったはいいが、陽子が女王となる前に国を
荒れさせたのも女王だったという過去で、民の信頼が得られない。
且つ、海客ゆえに「こちら」の様々なことがわからない事が、更に側近達のため息を増やす。

簡単に、簡単に言ってしまえば、3人の娘達の生い立ちはこんな感じ。
ただし、上巻300ページ以上使っても3人は 「まだ出会っていない」 。
それぞれの「願い」は、本当に正しいものなのか?
果たすべき責務を理解していない幼き少女たち。
幾人かの大人がそれとなく教えようとするが、わからない。
現実世界もこんな感じだな……と思った。
社会に出たら、オブラートに包み「自分で理解させよう」とする。
大人になるために必要な心構えややり方は、学校のように教えてはくれない。
でも、そうやって大人になるものなんだよな……。
5.0 人それぞれの迷い方。
前半は景王・陽子を含めた3人の少女が出会うまでの道のりを書いてます。

王になり民を先導していかなければいけないが官吏にも小馬鹿にされままならない陽子、海客で虐げられ続けられる鈴、公主の立場から一転どん底に突き落とされた祥瓊、、、一見可哀想と思えるのですが実はそうではなく共通していることは「知らないからやらなかった。」「わからなかったからやらなかった」で済まそうとしていることです。それが如実にでているので「月の影」の前半の陽子が3倍になったようですごくイライラされました。陽子はそれでも経験があるのでいち早く気付き慶の実情を知ろうとしたのでまだましなほうですが、、。

知らなければ知ろうという心は彼女達の心に芽生えなく取り返しのつかないことが起こるまで気付かないのはなんとも愚かだと思います。現実世界にも少なからず彼女達のような人間はいるので彼女達の言い訳がましさ、エンホの教え、などを読んでいると何となく身をあらためさせられるようです。

5.0 アンリアルな世界に際立つリアル
正直、ファンタジーが苦手でした。精密に書かれていればいるほど、そこに詰っているアンリアルな世界、夢見る世界に馴染めない自分が居ました。特に中国の歴史は大の苦手、国の名前や順番なんてまったく覚えられなかった私です。どうして『十二国記』のような、中国風の時代背景設定、精密に作られたばりばりのファンタジーを読めるでしょう!?友人に勧められても、手を出すには相当な時間がかかりました。

電車に乗っていて、あまりにも暇だったので少し読んでみたのです。読み始めて、もう、その手がとまりませんでした。アンリアルな世界を構築する、小野さんの精密な描写が続く点も全く苦になりません。それどころか自身の想像が膨らんで、いつのまにかゆったりと時の流れる異国の風景に思いを馳せる自分を発見してしまいます。

私があれほどまでに苦手なファンタジーの部類に属す、この作品に、音をあげなかったのは…
それはアンリアルな世界だからこそ、余計に際立つ「人間の弱さ」「人間の醜さ」のリアルに触れたからだと思います。設定はどんなに浮世離れしていようと、私の住む世界と違おうと、登場人物の洋子、鈴、祥瓊のもつ煩悩は、痛いほどに私と通じていました。
他人の顔色ばかりを伺い、自分の意見を貫く強さを持てない陽子。自分の不幸を過大評価し、哀れんでくれない他人を憎む鈴。他人の幸福を妬み、自らの責任を忘れてプライドばかりを育てている祥瓊。
それは私であり、まわりの友達でした。
三人がそれぞれに人と出会い、自らを省みて、少しずつ前進していくさまは、どんな押し付けの形ばかりの励まし言葉よりも、ずっと読者を叱咤激励するものだと思います。実際、私は、三人が自らの過ちに気づくとき涙がとまりませんでした。それほどに、感情のリアルさに共感していたんだと思います。
これほどまでに内面を掘り下げながら、物語としての構成や設定にも抜かりが無い。本当に傑作だと思います。
「風の万里 黎明の空」が一番好きなシリーズです。ちなみにアニメもすごくおすすめです。
5.0 おぉっ!!
 十二国記シリーズの④作目★スラスラ読めちゃいます。④作目だけれども、これが本編の②作目です(間の②作は外伝?みたいなもの) 【上】では陽子・鈴・祥瓊(ショウケイ)のこれまでと慶国の現状についてなど紹介的なところが多いです。
 『普通の女子高生が異世界で王様になる羽目になってまぁ大変!』って書いたら陳腐でよくある話だけれども、十二国記はそんなありきたりの話ではないです!! ①作目でのサバイバルを生き抜いて、女らしさが抜けてしまった陽子がさらに男前になっていきます。

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