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「退化」の進化学 (ブルーバックス)

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「退化」の進化学 (ブルーバックス)の商品レビュー

4.0 痕跡を見ると
私たちの体に痕跡として残った退化器官から、どんな進化をしてきたのかが解き明かされ、驚くことばかりで、好奇心一杯で読むことが出来た本です。各特長のある器官の歴史を読み解く中で、何か生物同士での親近感が湧くというか、何か不思議な気持になりました。例えば、患っている外反母趾とサルの足を比較すると、原因の一端が見えてくる…。他にも、各進化段階で体に残るなごりを見ながら説明が進められています。面白い本なので、是非、続編も出版してもらいたいものです。
3.0 副題がタイトルです。
タイトルに惹かれて手にとりました。
内容は、退化を盛り込んだ進化全般の話です。

面白いのですが、タイトルについて
疑問を持ちました。
副題に、ヒトに残る進化の足跡
とありますが、
まさにこれが本書にふさわしいタイトルだと思います。
4.0 読みながら自分の骨の位置を確認していた
人類の体の構造の中に、進化(使わない器官で現れると退化となる)の痕跡を解説した書である。以前読んだ類書の『人体 失敗の進化史』と比べて、系統的でドライに書いてあるので、私にとっては好感が持てた。ただ、細かい骨や筋肉の話が出て来てイラストを見てもすぐには分からないものも多かった。私の読み方として、さらっと読んで分からない所はそのままスルーするので、ストレスにはならなかったけど、きちんと理解しないと気になる人には結構骨かもしれない。これは、本書の解説がまずいと言うわけではなく、本質的に煩雑なものなのだろう。ビデオ等で絵を見ながら解説を聞く形式の方が分かりやすそうだ。

人体の構造がなぜこのようになっているのかに、脊椎動物の歴史、もっと言えば、生物全体の歴史が現れているのは本当に面白い。今回一番面白かったのは、腕と脛の違いだった。腕は肘を固定したまま手首をまわすことが出来るのに対して、足首を廻すには膝もろとも股関節動かさないと廻せない。爬虫類では両方同じ機能があったのに、足の使い方が変化して必要がなくなって退化したものだ。その証拠には、膝も腕と2本の骨があるのに、脛の方は一本は取ってしまっても構わなくなっていて、実際に骨の移植に用いられている。

読みながら、自分の体のあちらこちらを動かしたり押さえたりして確かめているのは、何となく変な光景だが、そうしたくなる面白さのある本だった。
5.0 解剖学が必要な人に絶好の副教材
遠藤秀紀先生の「人体 失敗の進化史」と好一対・同ジャンルの良書である。両書は相補うところがあるので併読を勧める。 鎖骨・上肢帯のあたりは2冊読んで、やっと朧気ながら分かってきた。 保険会社の調査専門職としてお医者さんにインタビューするのが本業の私にとって人体の解剖知識は必須であるが、解剖学書が退屈なことは、遠藤先生が指摘するまでもなく看護・医学生の皆さんも同意してくれるだろう。医療知識ゼロの新入社員研修を私が担当するときは、基本的な骨格の解説に「哺乳類の生物学(2)形態」(東大出版会)を使っているくらいだ。

そんな私にとって、この2冊はこれまで最高に理解できた解剖学の副読本でもあった。古生物学者と獣医解剖学者の一般書が、専門書より遙かに分かり易いのも皮肉だ。医学書は「今ある現実」しか書いていないのに、本書と「人体 失敗の進化史」は、どんな経過を辿って今こうなっているのか書いてあるから分かる。これが本当の意味で「理解(ことわりを とく)」というものではないか。

たとえば本書は、これまでの私の大きな疑問2つを解消してくれた。その一つは、なぜ哺乳類になってから前肢では肘は後方に向き、一方、後肢では膝は前方に向くのか(四つん這いになってみると分かるが、手部・足部の向きは同じく進行方向を向いているのに、肘と膝の曲がる向きは互に逆である);もう一つは「奇形」はなぜあるか・どう考えるか、の2つである。 この答えは、医学書にはまず出ていない。 本書を買って、お読み頂きたい。
4.0 発生学を学ぶ医学部学生の皆さんへ
 発生学を教える医学部はだいぶ少なくなってきた。そういう私も学生時代発生学を学ばなかった一人だ。しかし、心臓や小児科では奇形を学習するに当たっては発生学の素養が必要であるし、癌は体細胞の胎児化であるから基礎系への進路を考えている諸兄にも必要かと思う。 
 そこで本書だ。基本的に発生学は難しい本が多いが本書はアプローチも良く分かりやすい。人体の様々な組織が挙げられているので、これから解剖を学ぶ諸兄には特にお奨めだ。ブルーバックスは基本的に簡単な本が多いので、医学や生物学を学ぶ学生には読む機会は少ないしニーズを満たすことも少ないが本書は一読の価値アリ。お試しあれ。
(なぜ読者を限定した書き方をしているのかというと、やはり人体組織の名前をある程度知ってないとこの手の本は読めないからだ。決して著者が意地悪しているのではないのだが・・)

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