日本のナショナリズムが垣間見れます
『とんかつの誕生』というタイトルで、興味が沸き買ったが、とんかつについては、本の3分の1くらいしか割かれていない。他は何が書いてあるか。それは日本が1200年間肉を食べない文化であったが、近代化の波のなかでどのように従来の文化を変えていき、西洋人のような肉体になるかであった。
そのために、西洋文化を受け入れるのではなく、すき焼きなどのように、従来の日本の料理に肉を入れていくように、同化させていく形で食文化の近代化が行われた。
そして同化や和洋折衷の中で生まれたのがとんかつやあんぱんなど。
そこには戦前の日本人のたくましさ、ナショナリズムが垣間見れ、大変参考になった。
単なる邦書の継ぎ接ぎに過ぎない
とんかつの誕生と銘打ってはあるものの、
本書の実態は明治維新以降の日本洋食史解説書である。
肉食・パン食の受容から始まり、
和中洋折衷のいわゆる「洋食」であるアンパンやとんかつの
誕生に至る経緯が描かれている。しかし本書は単なる邦書の継ぎ接ぎに過ぎない。
海外文献・資料の参照や、料理の経験上の考察もない。
同じ英語が出来ないにしても
小菅桂子氏などの持つ粘り強さくらいは欲しいところ。