読んだ後が大切
書かれている心理療法(非行防止や心因性障害などに効果的だったそうです)は、まったく納得的でこうした心情で生きていければ、幸せなことが簡単に想像できます。読むだけで救われたような気さえします。紹介される療法のやり方は簡単で毎日、自分自身に問いかけます。質問はすごくシンプル、「してもらったこと」「してあげたこと」「迷惑をかけたこと」この三つです。してもらえなかったことを思うのはナンセンス、要求自体が勝手に作られた幻想だからです。そんなことよりも、すでに得ているもの、手元の一輪の花に気づくことが大事なことなのです。得ているものが分かれば、自分がもっているものの愛おしさに気づき、逆に自分が他人に与えているものの少なさに気づくことになるでしょう。こうしたことに三つの質問を自分に問いかけていくことで、覚醒されていくというものです。そうすることによって自分の中の何かが肯定的に変化していくことが実感されていくのでしょう。
本書ではこの心理療法での臨床例が多く紹介されています。この本の目的は、読むだけではなく、(別に問題を抱えていなくとも)より良く生きようとする問題意識をもって実践することで、はじめて生かされていくものだと思います。