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定年ゴジラ (講談社文庫)

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定年ゴジラ (講談社文庫)の商品レビュー

5.0 真摯に生きていきたい、と思わされる一冊
家庭も顧みず仕事一筋に生きてきたオヤジたちが、定年を迎え、さてどう生きるか。
これまでの人生、今現在、これから・・・。
全体を通して、コミカルな味に彩られているが、登場人物それぞれにさまざまな、
けれどおそらく多くの人が共感できる思いを抱えて生きる。
主役のオヤジたちはみんな魅力的で、彼らの人生の深みや、積み重ねてきた時間ゆえの
悲哀がところどころで胸に迫る。
・・・・泣いた。

特別にドラマチックでなくても、順風満帆でなくても、(そうでないからこそ、か)
真摯に生きていくことが素晴らしいと思える。
いつまでも心に引っかかる苦い思い出があっても、それを抱えて生きていくしかないし、
あるいはそういうことがあるから頑張れるのかも、と自分の父親の人生に思いを馳せ、
父親になった自分のこれからを考えた。
5.0 考えさせられる(サラリーマン必読!)
何気なく海外出張に行く時に空港で買った本ですが、面白かったです。自分はまだ30半ばで、定年後はほとんど想像した事すらなかったですが、なぜか非常に感情移入出来ました。後、読んだ方には分ると思いますが、嫁さんは大事にしようと(笑)。思わず出張先で妻にみやげを買ってしまい不思議がられました。いずれにせよサラリーマンの方なら読んで絶対損しないと思いますよ!
5.0 喫茶店で泣いてしまいました
 定年後の男が,年老いたニュータウンで過ごす余生。重いテーマを軽くさばいて,気楽に読める作品に仕上がっているのだが……。
 『家族写真』にはやられた。昔子供を遊園地に連れて行ったことがある中年男性の方が本書を読むときは,気をつけていただきたい。私の場合,本書を気楽に喫茶店で読んでいて,思わずボロボロと涙を流して泣いてしまった。
《メリーゴーランドが,さっきの家族連れを乗せて回りはじめる。カボチャの馬車に,母親と赤ん坊。男の子は馬車を牽く白馬に一人でまたがって,柵の外でビデオカメラをかまえる父親に手を振っていた。
 幸せそのものの家族の姿だ。けれど,今日の遊園地を最後に,あの夫婦は離婚してしまうのかもしれない。家族の歴史が閉じる前にせめてもの楽しい思い出を子供に残してやっているのかもしれない。今朝,出掛けに夫婦喧嘩をしていたのかもしれないし,遊び尽くして帰宅してから,ささいなことで夫婦喧嘩が始まるのかもしれない。
 誰にもわからない。
 確かなことは,ここにいま幸せいっぱいの家族がいる,それだけだった。》(361頁)
 田舎から出てきた母親が,お土産を買うために虎屋に行きたいと言う『夢はいまもめぐりて』も泣かせる話だった。
4.0 定年退職者は、人生の勝ち組である。
重松さんは35歳頃に「定年ゴジラ」を書いている。
会社員の定年退職後の生活を実にうまく書いているが、何かわびしさを感じる。
定年離婚の話、二世帯住宅の嫁と姑のもめ事の話、娘の交際相手が家族持ちの
話、かわいい孫からおじいちゃんの仕事は「ぶらぶらしている」といわれ
ショックを受ける話などなど、わびしくなる。
しかし、今の言葉で言うと「くぬぎ台」で生活している人たちは、人生での
勝ち組の人たちである。
主人公の山崎隆幸さんの中学時代の同級生の岸本忠義さんが、突然訪ねてくる。
岸本は仕事を転々としている人生の負け犬である。
その岸本が感じるニュータウン「くぬぎ台」のイメージは、人生に勝った人間
だけがここに住める場所で、途中で負けた奴は出ていかなければならない。
ここはいい街だけどつらい街であると素直に感想を述べる。
この言葉を読んだとき、厳しい現実を感じた。
人は、自分の生きている場所で、前向きに努力しながら、死んでいくしか
できないのであろうと思う。
趣味や自分の楽しみのために悠々自適の第二の人生を過ごせる人は、ほんの
一握りの人たちだけであろう。
定年退職によって、それまで仕事に追われ、時間に追われ続け、ただ時間だけ
がむなしく過ぎ去る生活からは解放される。
まずは、それだけでも十分幸せであると感謝しなければならないと改めて
感じたのが、この本を読んだ私の素直な感想である。
5.0 父がまだ生きているころに、
この本と出会っていたら、たくさん普通の親孝行ができたかもしれない。そんなふうに思わせてくれる優しい小説です。

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