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ペルシャ猫の謎 (講談社文庫)

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ペルシャ猫の謎 (講談社文庫)の商品レビュー

3.0 科学と非科学の境目
有栖川有栖はなぜか身近に感じる作家だ。
作品が身近だとか、ものの見方が身近だとかではなく、作家自身を身近に感じてしまう。
なぜだろうと考えるに、彼自身が人との距離が近い人なんではないかな。作品を読んで作家のそんな人物像を感じさせるのも珍しい。

『ペルシャ猫の謎』は国名シリーズの短編集で、読み終えた後いつまでも記憶に残ることのない、読み捨て本に近いものなのだが、このクソ暑い最中には体力使わなくていい。
特にタイトルになった『ペルシャ猫の謎』は、殴られて意識朦朧のときに猫を抱いた自分そっくりの男を見た。だから双子の弟が犯人だと思ってたら自分のドッペルゲンガーだった。と言う、トリックと真相が逆じゃねーのか?ってなオチでとっても気に入っている。
読んでて「ドッペルゲンガーじゃないの?」と思ったら、その通りの解決で意表をつかれたってのもある。

そーゆーのいいかも。発表してみよーっと。ってな作者の気持ちが楽しいのよ。

科学と非科学の境目はそんなにはっきりしたものじゃなくって、現在ある方法論で解明できないものが非科学と呼ばれてるだけだろう。納得できようができまいが『あり得なかった仮説を消し去っていって、最後に残ったものは、どれだけありそうもなくても真実だ』って当然のことだから。

思考に限度枠を作らないで行きましょう。
2.0 もうまともに書く気はないの?
 1999年の講談社ノベルスの文庫化。国名シリーズの第五弾で、7篇が収められている。
 どれもものすごく出来が悪い。読者をなめている、というかバカにしているとしか思えないお粗末さ。トリックとして成立していなかったり、結局、謎が解かれなかったり。
 著者には、もはやまともなミステリを書く気はないのだろうか。
3.0 えっ、これが…
この作品は、『国名シリーズ』の第5弾に当たるわけだが、なぜだかこの作品群はクオリティが低いように感じた。特に表題作の「ペルシャ猫の謎」は、その失速具合が如実に現れている。いくら他に糸口がないからってそれはないでしょ…、と思ってしまった。
1.0 ファンは許せる?
これは…特に表題作は…どうなの!?という感じ。
有栖川ファンは、「こういうのも、またよし」と思えるんでしょうか。
私は思えなかったなあ。
「ブラジル蝶」あたりを面白く読んだあとで、これを読むと、
ガッカリするんじゃないかと思います。
逆に、これを最初に読んじゃった人は、どう思うんだろう、と
他人事ながら不安。
「ほかにもいい作品がいっぱいあるので、読んでみて!」
と、余計なことを言ってしまいそうです。
「火村助教授の、どんなことでも知りたい!」
っていう人は、面白く読めるかも。
4.0 火村助教授のエピソードに、ぐっときました。
 有栖川有栖さんのミステリのなかでも、やわらかな肌触りを感じる作品が好きです。
 国名シリーズの五冊目にあたる本作品集では、おしまいのエピソード風のショート・ストーリー、「猫と雨と助教授と」のあたたかな温もり、そのしっとりとした味わいがいいなと思いました。臨床犯罪学者の火村英生助教授の猫好きぶりが、親友の有栖川有栖の目を通して描かれています。話の中にそぼ降る雨音のやわらかさと、助教授の猫かわいがりぶりを見守る有栖の眼差しの優しさに、ぐっときました。

 ミステリ作品として一番の読みごたえを感じたのは、「赤い帽子」かな。この作品でも雨が降っていますが、それは土砂降りの雨。叩きつけるように降る雨音と、犯人の黒い殺意がオーバーラップするような、そんな味わいを感じました。
 この作品ではまた、ラスト一行がピカリと光っていますね。話の幕の引き方が巧いな、秀逸だなと、そこが印象に残ります。

 表題作の「ペルシャ猫の謎」。推理小説作家の有栖川有栖が、今まさに自分の本が売れようかという決定的瞬間に立ち合う場面が出てきます。そばで立ち読みするふりをしながら、「買え。買いなさい」と必死に念を送る作家のどきどきする気持ち、それがひしひしと伝わってきて、くすりとさせられました。これに似た体験をされたことがあるんだろうなあ、と思って。

 それから文庫版の本書のあとがきを読んで、ひとつ、作家の遊びが仕掛けられていたことを知りました。さあ、分かるかな。えっ、私? それがちっとも気がつかなくて、さっきあわてて、ぱらぱらと読み返していたところです。

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