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妖奇切断譜 (講談社文庫)

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妖奇切断譜 (講談社文庫)の商品レビュー

4.0 朱芳の病状が気にかかるー
 内容については皆さんがお書きになっているので、省かせてもらう。確かに本書、1作目とともに、作者の意図するところが発揮され切っていない感はある。雰囲気はあるが、ミステリーとして読むには物足りなさが残るし、文章も貫井ファンとしては違和感がある。だが、それらを補って余りあるのが朱芳という謎の存在。なぜ彼が引きこもり(?)をしているのかが、この2作ではわからないのだ。シリーズに、とは言えないが、せめてもう1作書かせてもらって、朱芳の謎だけは明らかにしよう。皆さん、自分の想像が当たっているかどうか知りたいだろうし。
2.0 「美人」に食傷・・・
前作の『鬼流殺生祭』でも思ったのだが、この作者の美人の形容はしつこい。
美人の登場シーンでページ半分以上使ってその美しさを描写し、その後も事あるたびにいかに美しいかを語彙を尽くして書いている。
「画家じゃなく小説家なんだから、“美人”と書かずに読者に『美人だ』と思わせる表現をせんかい!!」
と、思ってしまうのは決して不美人のひがみではない(と思いたい)。
そして今回も、髪型や服装については書いていない。
瞳の輝きや顔の整い方を書くより、どんな簪をしているかとかどんな着物かを書いた方が気品や上品さが伝わると思うんですけどね・・・。
いまいち人物像が浮かばず、話にのめりこめなかったのが残念。

それと、今回主人公が友人に、友人が大切にしている“公家の誇り”を「時代遅れの害悪」と言い放つのが不快で・・・。
30近くになっても親のスネをかじってじいや付きのニートをしてる人に、誇りをけなされ「自分の方が世の中を知ってる」と言われたら
相手が怒って当然でしょう。
主人公の好感度が下がってしまった・・・。
3.0 何となく惹き付けられた作品
 トリックというか犯人事態は何となく解るので推理小説としての完成度は並だが、作品全体が醸し出し感覚というか文体から滲み出す味みたいなものに何となく惹き付けられてしまった。時代劇物が読まず嫌いな書評子にとっては、新鮮な言い回しの文章だったからなのかもしれない。

 内容は、東京中の美人を描いた錦絵「今様美女三十六歌仙」。これに描かれた美人が次々と殺され、バラバラにされて身体のある一部を除いて稲荷神社に捨てられるという事件が起こった。元公家で幼馴染みの藤下家の珠子がこれに描かれていたということで、次は珠子が殺されるのではないかと、事件の解明を依頼される九条。しかし、珠子が第3の被害者となってしまう・・・。
 「今様美女三十六歌仙」と稲荷神社とのつながりとは? 残虐な殺人を繰り返す犯人とは果たして誰なのか!?
3.0 残念である
残念である。本の1/4の段階で結末の半分が見え、1/2の段階で8割方見えてしまった。そういった目で読んでいくと、随所に物語をわざと複雑にするためだけの工夫が見えてくる。そして共感を覚えない登場人物たち。久しぶりに失敗作に出会った。まあ、そういうこともあるでしょう。貫井徳郎はエンターテイメント作家なのだから、この1冊で彼に失望するなんてことは、もちろん無い。
4.0 前作と比較して・・・
『鬼流殺生祭』に次ぐ、明詞シリーズだが、こちらの方がすんなりと話を楽しめた。
前作はストーリーに関係の無い実在人物のエピソードだとかが多く、どうしても間延びしてしまったイメージがあったのだが今回はそのようなものは一切無くて、物語に集中できた。

また、前作と比較しても、主人公が「公家」であるとか、時代が「明詞(明治)」であると言う舞台設定がしっかりと生きていたように思う。トリックは王道とも言うべきものなのだが、ちょっと外している辺りは流石というべきか。
全体として、前作よりも完成度が高いように思った。

・・・ちょっとグロいけど(笑)

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