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商品の情報
風の歌を聴け (講談社文庫)の商品レビュー 1Q7Q年リリースのデビュー作ということで
同じ作者による話題の最新作が2009年の5月にリリースされていることと、この同じ作者のデビュー作がちょうど30年前の1979年の同じ5月に発表されていることとの間には何か偶然以外の何かがあるのかとの軽い気分の勘違いに似た思い入れにとらわれて、この処女作を再読してみる。二度読む価値のない本は一度たりとも読む値打ちがないとは誰が言ったのだろうか(今、私も言ったが・・・・・)マックス・ヴェーバーが言ったのだ。でもこの本を読むのは二度目である。 若者像を変えた作品。
印象的なフレーズと小道具(レコードやミュージシャン)、映画のカットのような挿入で読み手の想像力を刺激してくる作品です。この小説が、20代の若者の姿を変えたと思っています。それまで、青春小説というのは、若者の間で起きる事件、恋愛、大人になる前の青臭さ、若者の無軌道ぶりといった若さ、甘酸っぱさ、瑞々しさ、残酷さなどに起因する姿を描いたと思うのですが、多くの人にとって、青春時代というのは漠然とした時間の中に埋もれています。モンモンとしている時間といえるかもしれません。村上春樹さんは、それをこの作品で表現したと思います。サリンジャーのようなアメリカの作家がこういう世界を描いていましたが、日本では村上春樹さんが20代の若者を包んでいる空気を描くことに成功したと思います。この作品の生まれた頃が、日本がアメリカ並みの豊かさを備え、生きるために行動するよりも、若者は自分の世界を作り出すために時間を費やすというような、歴史が残さない時代の境目であったのだと思います。村上作品を支持したのは、そういう新しい時代に踏み込んだ若者達であったのではないでしょうか。翻訳本のような文体、何も起こらない世界を読ませるための、レトリックと文章作りの技巧が図抜けていると感じています。文章の巧みさがあるゆえに出来上がった小説だと思っています。 やれやれな雰囲気
どんな小説にも印象的なフレーズは登場するが、それらは大体、主人公の考えや行動によって重みと真実味を持つ。この小説では印象的なフレーズが数多く散りばめられているが、ただ「散りばめられている」だけであって残念ながら何の説得力も持たない。例えば「天才とは1%のひらめきと、99%の努力である」というのはエジソンの名言であるが、これはエジソンの業績を知り、初めてその意味を考えられる訳である。もしどこの誰とも知らない人間がこんなフレーズを口走っても誰も気にも止めないだろうし、その意図する意味さえも考えることができない。そういう意味で、「最初のページだけでこの小説は終わる」とまで言っている人たちのことが僕には理解できない。 何度でも僕を救う。
第一章は7ページから始まり、13ページで終わる。たった7ページ。仮にこの小説が、このたった7ページしかなかっとしたら? 青春小説・・・いや。ちょっと待てよ。どうもおかしい。
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